洪秀全演義第九回 知県を劫し石達開窮せしめ、斜谷を渡り烏蘭泰を斬る (劫知縣智窮石達開 渡斜谷計斬烏蘭泰)

金田の夜戦、官軍潰走

  • 官軍の使者が黄文金の引き渡しを迫るが、秀全は毅然と拒絶する。
  • 官軍が村に突入すると、伏兵が一斉に発砲・襲撃。馬兆周は銃弾に倒れて戦死、田成勲・白炳文はかろうじて逃走。黄文金は敗残兵に降伏を呼びかけて多数を投降させ、秀全は深追いを戒めて兵を収める。

広西当局の動揺

  • 敗報を受けた広西巡撫・周天爵は馬兆周の不手際を認めつつも、白炳文の独断出兵を咎めて更迭。提督・向榮を招集して対策を練り、広東総督にも援軍を要請する。

石達開の獲得と檄文

  • 秀全らは軍資金の不足を案じ、胡以晃の勧めで潯州の富商にして義侠の士・石達開の勧誘を図る。
  • 新任県令・楊寶善の船を韋昌輝が石達開の名を騙って足止めし、達開をおびき出そうとするが、当の石達開が自ら秀全のもとへ現れる。達開は策略を見抜いた上で秀全の誠意に応じ、盟友・李秀成の存在も示唆しつつ協力を約束する。
  • 達開の献策により、東西二路に分かれて桂林方面を目指す作戦を決定。糧秣の手配は達開が取り仕切ることとなる。
  • 黄文金の名で発する檄文を胡以晃が起草し、朝廷の失政と官吏の苛斂誅求を糾弾、保良会は御用の暴徒ではないと訴える(檄文:奸臣・酷吏の悪政を弾劾し、順う者は生かし逆らう者は討つと布告する内容)。
  • 檄文により六千の兵が集まり、紅色の旗印「保良軍」を掲げて訓練を始める。

烏蘭泰の南下

  • 広西巡撫は副都統・烏蘭泰に四千の兵を与えて急派する。烏蘭泰は永安に急行するよう命じられ、石達開はあえて衝突を避けて桂平へ迂回する策を取る。

馮雲山の斜谷の計

  • 秀全の本隊は永安近くに布陣し、羅大綱と連絡を取る馮雲山と合流。
  • 雲山は烏蘭泰の急進癖を見抜き、偽装退却で永安を羅大綱に奪わせ、烏蘭泰を「斜谷」という険路に誘い込んで自ら伏兵で討ち取る策を献じ、秀全はこれを了承する。