間書熊景、塩売りに変装させて猺を降す
『兵略纂聞』にいう。僉事の熊景が広西に赴任していたとき、両広の節鎮都台であった朱公は、熊景に檄を発して潯州・桂州の諸猺(瑤族)の取り締まりに当たらせた。熊景はひそかに人を農民・商人の姿に扮装させ、塩を背負って猺の住む所へ赴かせ、あたかもひそかに忍び込んで交易する者であるかのように見せた。猺はこれを疑わなかった。彼らはその中に紛れ込んで虚実を探った。間諜は猺に語って言った。「私ども商人は新しく着任した按察使公がどのような人物であるかは存じませんが、古い壺のような形をした器を十数個用意しているのを見ました。その中には石が詰められ、石や木で口を塞いであります。思うに、猺が降伏して出てくれば、これを使う必要はないでしょう。しかしそうでなければ、これはかつて大藤峡を打ち破ったのと同じもの(火器)でありましょう。」猺はこれを恐れて酋長に告げ、酋長はその日のうちに降伏した。十日と経たぬうちに、降伏した猺と獠・獞(他の少数民族)は数十の氏族に及んだ。