十六国春秋南燕錄三 慕容鍾
佐命の功臣から出奔へ
- 慕容鍾、字は道明。徳の従弟。若くして見識と度量に優れ、喜怒を顔に表さなかった。機知は秀でて言葉は明晰、危難に臨み敵に対しても知勇兼備、たびたび奇策を進言し、備徳はこれにほぼ従い、いずれも的中したため、政務の大小を問わずすべて委ねられ、佐命の元勲として北地王に封じられた。
- 超が即位すると猜疑と虐政が日増しに強まり、政治は権門の手に握られた。公孫五楼らは威権を頼み、鍾が自分たちを抑えることを恐れ、しきりに超に鍾を誅すよう勧めた。鍾は恐れ、段宏らと共に謀反を企てたが事は露見し秦へ亡命した。姚興は鍾を始平太守に任じ帰義侯に封じた。