十六国春秋後秦錄十 曇無成

羅什への師事と時世の予見

  • 曇無成、元の姓は馬、字は季長。扶風の人。一族は戦乱を避け黄龍へ移住した。十三歳で出家し、質朴清廉で悟りの理解は他に抜きん出ていた。羅什が関中にいると聞き荷物を背負い師事した。什は成に会うと「沙弥はどうしてこんな遠くから来たのか」と問い、成は「道を聞いたからです」と答え、什は大いに喜び興にこれを語った。興は成に会い「馬季長(後漢の学者・馬融)は博識な学者であったが世を欺いたと評される、法師もそうであってはならぬ」と告げると、成は「道をもって心を服するのはこの過ちを除くためです」と答え、興はこれを非常に評価した。成は姚氏の命運が尽き関中が危乱に陥ることを予見し、先に淮南の中寺へ身を隠した。