十六国春秋前趙錄九 劉殷

孝行の逸話

  • 劉殷、字は長盛、新興の人。七歳で父を喪い深く哀しんだ。曾祖母のために厳冬に芹を求めて慟哭すると芹が生じたという奇瑞、また夢のお告げで粟十五鍾を得た逸話が伝わる。

出仕と学問

  • 司空斉王司馬攸・征南将軍羊祜らの招聘をいずれも固辞し曾祖母への孝養に専念した。同郡の張宣子はその将来性を見込んで娘を娶わせた。
  • 劉聰の丞相となり、直言を避けつつも事に応じて適切に補佐し、聰も殷の意見にはよく従ったという。七人の子にそれぞれ経書・史書を授けて一門の学問を興し、子孫には「主君を諫めるには婉曲な諌めを尽くすべきで、面と向かって過ちを指摘するより優れている」と戒めた。侍中・太保・録尚書事に至りながら常に謙虚さを崩さず、聰の嘉平二年に没し大昌文献公と追諡された。