十国春秋卷一百三 荆南四 列傳 王處士

王處士

  • 王処士は何許の人か知られていない。文献王の時、江陵に居して占卜が巧みであると評判であった。周の晋王柴栄がまだ栄達しない頃、布衣として大商の頡跌氏とともに荆南で商いをしていたが、ある日、処士の許を過ぎ、方を卜し卦を布いたところ、たちまち一本の蓍が躍り出て卓然と立った。処士は大いに驚き「吾が家の筮法は十余世に及ぶが、代々高祖・曽祖からの遺言では、卜筮して自ら躍り出るものがあれば、その人は貴くして言うべからず、まして卓立して倒れないというのは、天下の主となる者ではないだろうか」と言い、急いで起って再拝した。栄は表向きは詰責したが、内心は甚だ喜んだ。後に果たして郭氏の後を承けて皇帝の位に即いたのは、処士の言のとおりであった。