十国春秋卷六十五 南漢八 列傳 黄德昭
黄德昭
- 黄德昭は大寶の末に官を重ねて学士に至った。後主に従って宋に入るとき、道は江陵を経由し、邸吏の龎師進が道中で出迎えた。時に德昭は後主に侍していた。
- 後主は師進を指して「何人か」と問うた。德昭は「本国の人です」と答えた。後主は「なぜここにいるのか」と問うた。德昭は「先主が毎年、大朝(宋)に輜重を貢いでおり、北の荆州に至るため、師進にここに邸を設けさせ、車を造って輸送に供させていたのです」と答えた。
- 後主は嘆いて言った、「私は在位十四年、未だかつてこの言葉を聞いたことがなかった。今日になって初めて祖宗の山河と大朝の境土との関係を知った」と。そうして泣くことしばらくであった。