十国春秋卷四十三 列傳 李龜禎

李龜禎

  • 李龜禎は京兆の人である。乾徳の末、知制誥の官に就き、人となりは厳正で、権貴を恐れなかった。後主が常に近臣を怡神亭に招いて宴を催したとき、酒がまわると冠を脱いで髷をあらわにし、男女の別なく入り交じって座り、はしゃぎ叫んで、上下の礼をわきまえないほどであった。龜禎は諫めて言った。「君臣が酒色に溺れて国政を憂えなければ、臣は北方の敵に付け入る隙を与えることになるのを恐れます。禍が及ぶのもそう遠くはありますまい。」後主はまったく意に介さず、一年も経たぬうちに国は亡んだ。