十国春秋卷四十二 列傳 鄧元明
鄧元明
- 鄧元明は梓州の人である。資産は巨万にのぼり、その富をもって郷里に雄たるものであった。光啓年間、高祖が閬州から来て成都を包囲した際、軍糧が続かなかったので、元明はたびたび蔵を開いて供給し、前後の合計は数百万にのぼった。高祖が官に取り立てようとすると、元明は辞退して言った。「望みません。ただ公に一方を安んじていただきたいのです。さもなければ両川はみな魚肉のように食い荒らされることでしょう。」高祖は喜んでこれを容れ、その子の宏を忠州刺史とした。宏は隆を生み、隆は後蜀の時代に資州刺史となった。