封神演義紂王、骨を敲き孕婦を剖く(第八十九回 紂王敲骨剖孕婦)
孟津の緒戦と妖将たちの正体
常昊(蛇の精)は妖気で姚庶良を昏倒させ討ち取る。続いて呉龍(蜈蚣の精)も同様の妖術で彭祖寿を討つ。哪吒・楊戩がこの二将の妖気に気づき応戦し、九龍神火罩や神犬・弾丸を用いるが、二人とも青光・黒気となって逃げ去り、討ち取るには至らない。袁洪自ら子牙に挑むも、雷震子・韋護に阻まれ降魔杵の一撃を受けて白光となって遁走する。子牙は二人の諸侯を失ったことを嘆き、楊戩は敵の妖しさを報告する。
袁洪の報捷と紂王の驕り
袁洪は緒戦の勝利を朝歌に報告し、紂王は大いに喜んで褒賞を与える。同じ頃、雪見の宴の席で妲己は紂王に取り入り、老人と若者が水を渡る様子の違いから精血の充実度を占ってみせる。紂王は興に乗り、実際に民の脛を斬らせて骨髄を検分させるという残酷な検証を行い、無実の民が命を落とす。
剖胎の惨劇と箕子の諫言
妲己はさらに妊婦の腹中を見抜く術を誇り、紂王は三人の妊婦を捕らえて腹を裂かせるという凶行に及ぶ。箕子はこれを強く諫めるが、紂王は激怒して処刑を命じ、微子ら一族の取りなしによってようやく死罪を免れるものの、箕子は奴隷に落とされ幽閉される。事態に絶望した微子・微子啓・微子衍の三人は、宗廟の歴代神主を密かに持ち出し、姓名を隠して他国へ逃れる。後世、孔子はこの三人を「殷の三仁」と称えたとされる。
高明・高覚の登用
紂王はなおも快楽に耽り国事を顧みない。そこへ容貌の異様な高明・高覚の二人が現れ、飛廉の取り次ぎで紂王に謁見し、周兵討伐を志願する。紂王は喜んでこれを神武上将軍に任じ、褒美とともに孟津へ遣わす。