封神演義武王の竜舟に白魚、跳び入る(第八十八回 武王白魚跳龍舟)
澠池県落城
朝歌が救援を出さず孟津の抑えに専念していると知り、張奎夫妻は籠城に徹する構えを固める。子牙は将を多く失い沈痛のなか、懼留孫の門人から書状を受け取る。土行孫の死は天数ゆえ避けられなかったこと、澠池攻略には黄河岸で楊任・韋護に張奎を待ち伏せさせる策が有効であることが記される。子牙はこの策を諸将に授けたのち、武王を伴いあえて城下を偵察し挑発する。誘い出された張奎を尻目に、哪吒と雷震子が手薄になった城へ攻め入り、迎え撃った高蘭英を討ち取って落城させる。
張奎の最期
子牙・武王を追っていた張奎は城の陥落を知って引き返そうとするが、哪吒の火龍罩を逃れて地中を朝歌方面へ急ぐ。その進路を予知していた楊任が地上から追跡し、あらかじめ黄河岸で待ち構えていた楊戩が符篆で退路を塞ぐ。進退窮まった張奎は、上空から韋護が放った降魔杵によって打ち砕かれ命を落とす。子牙は澠池県にしばらく留まり、戦死者を弔ったのち黄河渡河の準備に入る。
白魚の瑞兆と孟津での諸侯合流
厳冬のなか黄河を渡る折、武王の龍舟が激しく揺れ、一尾の白魚が舟中に跳び込む。子牙はこれを紂滅亡・周興隆の瑞兆と喜び、武王に食するよう勧める。渡河後、子牙は武王より先に上陸して陣容を整え、諸侯には「観政于商」を大義名分とするよう申し合わせておく。武王が到着すると南伯侯・北伯侯をはじめ数百の諸侯が出迎え、盛大な会合となる。諸侯からは紂王討伐の大義を説く発言が相次ぐが、武王はあくまで謙譲の姿勢を崩さず、子牙が「商郊に至ってから改めて議す」として場を収める。
孟津での初戦
袁洪の陣営では殷破敗が周軍の勢いを警戒するが、袁洪は自信を見せる。子牙は宣戦布告の書を送り、翌日両軍が対峙する。袁洪の威容が描かれたのち、両将は言葉を交わして対決姿勢を鮮明にし、袁洪の先鋒・常昊(蛇の精)と周方の姚庶良が一騎討ちとなる。常昊が偽って敗走し、姚庶良がこれを追うところで本回は終わる。