封神演義子牙、魂もて崑崙山に游ぶ(第四十四回 子牙魂游崑崙山)

十天君、十絶陣の仕組みを語る

秦天君・趙天君・董天君・袁天君・金光聖母・孫天君・白天君・姚天君・王天君・張天君が、それぞれ「天絶陣」「地烈陣」「風吼陣」「寒冰陣」「金光陣」「化血陣」「烈焰陣」「落魂陣」「紅水陣」「紅砂陣」の恐るべき仕組みを聞太師に語る。いずれも人であれ仙であれ踏み入れば粉々に砕け散る、逃れようのない陣であった。

姚天君、呪法で子牙の魂魄を奪う

姚天君は正面から戦わずとも子牙を呪殺できると豪語し、聞太師の許しを得て「落魂陣」内に姜尚の名を記した藁人形を作り、頭に催魂燈、足に促魄燈を灯して呪をかけ始める。子牙は日を追うごとに心身が朦朧とし、政務も手につかなくなっていく。楊戩らは異変を怪しむが原因がつかめない。二十日余りが過ぎ、姚天君が子牙の魂魄を全て奪い切ったとき、子牙は相府でついに息絶える。武王をはじめ一同が悲嘆に暮れる中、楊戩だけは子牙の胸にまだ温もりが残っていることに気づく。

崑崙山へ漂う魂魄、南極仙翁と赤精子の救援

子牙の一魂一魄は封神台に至るが清福神柏鑑によって押し出され、崑崙山へと漂う。南極仙翁がこれを見つけて葫蘆に収め、赤精子と共に西岐へ急ぐ。赤精子は武王らに「三更には蘇生する」と告げ、単身で「落魂陣」に乗り込むが、姚天君に気づかれて足元の白蓮花を落とし、命からがら退散する。

太極図による二度目の救出と喪失

赤精子は崑崙山に戻り、元始天尊の指示で大羅宮の太上老君のもとへ赴き、太極図を授かる。これを用いて再び「落魂陣」に入り、藁人形を奪い返すことに成功するが、姚天君の黒砂を避けようとして太極図そのものを陣内に落としてしまう。赤精子は藁人形を葫蘆の口に合わせて子牙の泥丸宮に戻し、子牙は無事に蘇生した。事の次第を知った子牙は、老君の至宝である太極図を失わせたことを深く悔いる。

三山五嶽の道友、西岐に集結

子牙が回復した後、二仙山麻姑洞の黄龍真人が来訪し、十絶陣を破るための相談が始まる。西門外に蘆篷(仮設の集会所)を設け、広成子・赤精子・黄龍真人・懼留孫・太乙真人・霊宝大法師・文殊広法天尊・普賢真人・慈航道人・玉鼎真人・道行天尊・清虚道徳真君ら十二人の道士が続々と集まる。誰が十絶陣を破る主導役となるかで互いに譲り合い、子牙が己の力不足を詫びるところへ、空に鹿の鳴き声と異香が満ちる場面で回を終える。