封神演義紂王、無道にして炮烙を造る(第六回 紂王無道造炮烙)
(詩:紂王の無道により忠臣が命を落とし、妖気が禁宮に立ちこめる様を詠む一首)
木剣焼却と妖気の再燃
紂王は妲己が倒れたことに驚き、木剣を焼却させた。剣は松材ゆえたやすく燃え尽き、妲己はたちまち生気を取り戻した。以後も宮中で歓を尽くす日々が続いた。
雲中子の予言
まだ朝歌に留まっていた雲中子は、妖気が再び宮中に満ちるのを見て、成湯の命運が尽きたことを悟る。司天台の照壁に「妖氛穢乱宮廷、聖徳播揚西土、要知血染朝歌、戊午歳中甲子」の二十四字を書き残し、終南山へ帰った。
杜元銑の上奏と処刑
太師杜元銑はこの文字の意味を推し量り、天文の異変と重ねて紂王の失政を憂い、諫章を認める。首相商容がこれを取り次ぎ、紂王に奏上したが、妲己は「妖言惑衆」と讒言し、紂王は杜元銑を梟首させた。商容は諫めたが聞き入れられなかった。
梅伯の直諫と炮烙刑の創案
上大夫梅伯は連行される杜元銑と出会い憤慨し、商容とともに参内して紂王を厳しく諫めた。紂王は梅伯の言葉に激怒し、官職を剥奪。さらに罵り続ける梅伯に対し、妲己が新たな酷刑「炮烙」(銅柱を火で焼き、罪人を縛りつけて焼き殺す刑)を提案する。紂王はこれを許可し、杜元銑を梟首、梅伯を投獄させた。
商容の辞任
紂王が炮烙刑の設置を許したことに絶望した商容は、老齢を理由に辞職を願い出て許され、朝歌を去った。黄飛虎ら百官が長亭で見送り、商容は再会を期す詩を残して去った。
梅伯の処刑
炮烙が完成すると、紂王は百官の前で梅伯を炮烙にかけ、見せしめとした。梅伯は昏君を罵りながら絶命し、百官は恐れおののいた。黄飛虎は「これは大臣を焼くのではなく、成湯の社稷を焼いているのだ」と憤った。
評語
後人はこの回について、梅伯の忠節と非業の死を悼む詩を残し、紂王の暴政と妲己の讒言が国を滅ぼす前兆であると論じている。