封神演義第五回 雲中子、剣を進め妖を除く (雲中子進劍除妖)
(詩:仙境の静けさと妖気が天に届く様を対比して詠む一首)
雲中子、妖気を察知する
終南山の仙人・雲中子が薬草採取のため雲に乗って空を行く途中、朝歌の宮中から立ち昇る妖気に気づき、千年狐狸が人の姿を借りて宮中に潜んでいることを見抜く。松の枝を削って木剣を作り、朝歌へ向かった。
大臣たちの諫言と雲中子の参内
紂王が長らく朝政を顧みないことに、上大夫梅伯・首相商容・亜相比干らが憂慮し、鐘鼓を鳴らして紂王に朝議への出御を促した。渋々出御した紂王のもとに、雲中子が拝謁を願い出た旨が伝えられる。
雲中子と紂王の問答
雲中子は簡単な会釈のみで拝礼しなかったが、その受け答えの機知に紂王は感心し、席を与えて語り合った。雲中子は道の教えの尊さを長々と説き、紂王はこれに聞き入った。
妖気の告知と木剣の献上
雲中子は朝歌の宮中に妖気が生じていることを紂王に告げ、松で作った木剣「巨闕」を献上し、分宮楼に掛ければ三日で妖気を絶てると説いた。紂王は仕官を勧めたが、雲中子は山野の自由な暮らしを望むとして辞退し、金銀の贈り物も断って立ち去った。
妲己の急病
紂王が壽仙宮へ戻ると、妲己が危篤の様子で臥せっていた。実はこれは分宮楼の木剣に宿った霊力によって狐狸精が苦しめられていたためであった。妲己(狐狸精)は分宮楼の剣を見て発症したと偽り、紂王を欺いた。
紂王、木剣を焼却させる
妲己の言葉をそのまま信じた紂王は、雲中子が妖術で美人に害をなしたのだと思い込み、木剣を焼き捨てるよう命じた。これにより宮中の妖気を絶つ最後の機会は失われ、殷の命運はいよいよ傾いていくこととなる。