北齊書卷二十八 列傳第二十 元弼
元弼、字は輔宗。魏の司空の子。剛正で文学に優れたが、季父の尚書僕射麗に王爵を奪われ、出仕を拒んで嵩山に入り、粗衣粗食のうちに没した。子の暉業が後に王爵回復を朝廷に訴え、没後に司徒公・文献の諡を追贈された悲運の宗室。
元弼
- 元弼、字は輔宗。魏の司空(元愉か)の子。剛正で文学があり、位は中散大夫。世嫡として当然先の爵を襲ぐべきところ、季父の尚書僕射麗(元麗)が于氏の親寵により、弼の王爵を奪い横に同母兄の子の元誕に授けた。これに弼は人事を絶ち、病と称して私第に帰った。宣武帝が侍中に徴したが、弼は上表して固辞し、嵩山に入って穴を室とし、粗衣粗食で卒した。
- 建元元年、子の暉業が王爵の回復を訴え、永安三年、尚書令司徒公を追贈され、諡は文献。弼はかつて夢で人から「君自身は爵位を伝えられぬが、その先の爵を継ぐのは君の長子紹遠である」と告げられ、目覚めるとすぐ暉業に告げたが、後に果たしてその言葉通りとなった。