- 魏徴が墓参のため帰郷する際、太宗は三衛の兵二十人を随行させ、殿中の馬三十匹を貸与し、物七百段を賜り、駅伝の乗物を給して送った。帰還して拝謁した際、太宗は「今日卿が戻ったのは本当に喜ばしいことだ」とねぎらい、魏徴は再拝して謝した。
- 太宗が道中で見た百姓の安否を尋ねると、魏徴は、百姓は皆陛下の恩沢を蒙り安居楽業していると答えた。太宗は、自分は百姓を愛養することに心を尽くしてきたつもりで古人にも恥じないが、百姓が免れずにいる不満はただ狩猟の一事だけだと述べた。
- その場にいた桂陽公主が、陛下の外出はただ近親・左右・給仕の者を連れるだけで百姓には関わらないはずだと発言すると、魏徴は、たとえ古くからの知人でも、その子が放蕩でその家産を破ることがあれば、自分に直接関係がなくとも心中は必ず不快に思うものだと譬えて答えた。
- また魏徴は、去年の冬、懐州から戻った後に「陛下がまた関南へ行幸されるらしい」と外で装束の準備までしたが結局行われなかった、という噂があったことに触れ、その理由を尋ねた。太宗は笑って、その時実際にそのつもりはあったが、卿に叱られるのを恐れて結局取りやめたのだと答えた。魏徴は再拝して謝した。