元史演義四傑援に赴き徳をもって怨に報い、一夫命を拚し少をもって多に勝つ(第 八 回 四傑赴援以德報怨 一夫拚命用少勝多)

乃蠻遠征と汪罕の離反

  • 帖木真は汪罕と共に乃蠻部の不亦魯黑汗を討つが、途中で乃蠻の残党に襲われる。汪罕は札木合の讒言を信じ、無断で陣を引き払って去ってしまう。帖木真は不満を抱きつつも、これを三度目の不和として堪え忍ぶ。

四傑による救援

  • 汪罕部が乃蠻の残党に襲われ、鮮昆の妻子や輜重が奪われる。汪罕からの求援に応じ、帖木真は木華黎・博爾朮・赤老溫・博爾忽の四傑を派遣して鮮昆を救い、奪われた物を取り戻す。感激した汪罕は帖木真を義子、鮮昆を義弟とする和議を結ぶ。

婚姻交渉の破談

  • 帖木真は長子朮赤と汪罕の娘の縁組を望み、自らの娘も鮮昆の子に嫁がせようとするが、鮮昆が席次の礼を巡って強く反発し、縁談は成立しない。これが四度目の不和となる。

札木合の離間策と鮮昆の陰謀

  • 札木合は阿勒壇・火察兒・答力台の三人を唆して汪罕方へ寝返らせ、帖木真が乃蠻と内通していると讒言させる。汪罕は取り合わないが、鮮昆はこれを信じ、偽の婚礼の宴に誘い出して帖木真を捕らえる計略を練る。

温都爾山の激戦

  • 帖木真は明里也赤哥の忠告で自ら赴かず使者を送り、さらに乞失里の密告で陰謀を知って山中へ退避する。汪罕の大軍が追撃し、畏答兒・折里麥ら忠臣が先陣を切って奮戦、術撤帶の放った矢が鮮昆の顔面を射抜いたことで敵軍はようやく退く。帖木真軍は多くの死傷者を出しながらも、辛くも危機を脱する。

評語

著者は、帖木真が汪罕に厚く報いたにもかかわらず、汪罕が猜疑心から害意を抱いたことを非難し、天の道理はこれを見過ごさないと説く。温都爾山の戦いは帖木真の生涯における名高い戦として蒙古の人々に語り継がれていると述べる。