元史演義テムジン独り諸部に勝ち、ジャムカまた連合軍を興す(第 六 回 帖木真獨勝諸部 札木合復興聯軍)
部の統治体制の確立
- 部長となった帖木真は、汪古兒らに膳を、迭該に牧羊を、古出沽兒に車輛を、朵歹に家人を、忽必来らに帯刀を、合勒剌歹らに馬を、阿兒該らに応対を、速別額台に兵戎を分掌させ、博爾朮を苦難の友として帳下総管に抜擢する。汪罕へは特に異存なく、札木合には依然としてわだかまりが残る。帖木真は油断せず備えを固めるよう命じる。
撒阿里の馬争いと十三部連合軍の来襲
- 帖木真の叔父行にあたる拙赤の牧馬が奪われ、追跡した拙赤が賊を射殺するが、それは札木合の弟禿台察兒だった。激怒した札木合は塔塔兒・泰赤烏など十三部三万の兵を集めて桑沽兒河を襲う。帖木真も急ぎ三万の兵を十三翼に編成して迎え撃つ。
巴勒朱思の激戦
- 緒戦で帖木真軍は押され、斡難河畔の谷まで退いて博爾朮に殿を守らせる。博爾朮の進言により、敵が疲弊し狩りに分散した隙を突いて反撃、札木合軍を撃破する。捕らえた数千の捕虜は大鍋で油煮にされ処刑される。
諸部族の帰順
- 泰赤烏部の下で困窮していた朱里耶人が帖木真の情け深さを慕って帰順し、続いて赤老溫、勇士哲別も帰順する。周辺の小部族も次々と帖木真のもとへ集まり、斡難河畔で祝宴が開かれる。
宴席での不和と薛撤別吉との衝突
- 宴席で従兄弟薛撤別吉の母忽兒真が、酌の順を巡って司膳失乞兒を打つ騒動が起こる。さらに薛撤別吉の従者と別勒古台の間で馬具を巡る争いが起き、別勒古台が斬りつけられて双方が対立する。
塔塔兒部討伐と薛撤別吉の討伐
- 金の丞相完顏襄と共に塔塔兒部を挟撃して勝利し、捕らえた嬰児を養子失吉忽禿忽とする。その隙に薛撤別吉が背後を突いて略奪したため、帖木真は改めて出兵しこれを討ち取る。この間、木華黎ら有為の人材が帰順する。
札木合の再挙と乃蠻部との連携
- 敗れた札木合は西方の乃蠻部と結ぼうとし、不亦魯黑汗が出兵するが、帖木真の先制攻撃により潰走する。哈答斤・散只兀・朵魯班・弘吉剌の諸部が結束を強め、札木合を古兒汗に推戴し、天に誓って帖木真討伐の同盟を結ぶ。
闊奕壇の戦いの発端
- 密告により連合軍の来襲を知った帖木真は汪罕と合流して迎撃に向かう。汪罕の子鮮昆の先鋒隊が危機に陥り、帖木真は急ぎ援護に向かう。乃蠻の不亦魯黑汗は蔑里吉部酋の子忽都と共に呪術で風雨を呼び起こそうとするところで本回は終わる。
評語
著者は、第一次の合戦では博爾朮の計略という人の知恵によって勝利を得たが、第二次の合戦では敵が呪術に頼るという展開になったとして、次回に描かれる風雨の逆転劇を予告し、帖木真の勝運は人の謀と天の意の両方に支えられていると評する。