繹史名物訓詁(下)(礼器図)(名物訓詁(下) 禮器圖)
鼎の種類と用途
- (爾雅より)鼎は烹飪・祭祀・宗廟・饗客に用いる器であり、大きさ・形状によって鼐(最大)・鼒(口の狭まったもの)・釴(耳が外に付くもの)・鬲(足の短いもの)などと呼び分けられることを記す。
- (博古圖・考古圖より)蠆鼎・舉鼎・魚鼎・乙鼎・父乙鼎・南宮中鼎など、実在する商周時代の鼎の実測値(高さ・口径・容量)と銘文の内容を列記する。
- (編者按)南宮中鼎については銘文中の「乙」の称号から商代の器と推定し、器の形制と銘の書体から製作時代を考証する記事が随所に付されている。
尊・彝・卣の種類
- (周礼・司尊彝より)小宗伯・司尊彝の職掌に基づき、雞彝・鳥彝・斝彝・黄彝・虎彝・蜼彝など六彝、獻尊・象尊・著尊・壺尊・大尊・山尊など六尊が、四季の祭祀・朝献・饋献の別に応じて使い分けられることを記す。
- (鄭玄注・王肅注より)獻尊・象尊の形状について鄭玄・王肅の解釈が分かれることを紹介し、博古圖に載る犧尊・象尊の実物(全体を牛・象の形にかたどり、背を刳って尊とした器)がその一説を裏付けるとする。
- (編者按)尊・彝・罍・卣・壺の呼称の別について、賈公彦の疏に「上尊を彝、中尊を卣、下尊を壺という」とあることを引き、各器の形制・銘文から編者自身が種類を推定する記事が随所にある(例:山文を頸に飾る器を山尊かとする一方、山尊は再献に用いるため朝事には合わないとする疑義も呈す)。
爵・觚・觶・角など飲酒器
- (韓詩説より)爵・觚・觶・角・散が容量(一升~五升)によって呼び分けられ、総称して爵、その実を觴ということを記す。
- (博古圖・考古圖より)女乙觚・虎斝・饕餮斝・角(銘に亞形の文様あり)・素觶・饕餮觶など、実測値と銘文を記す。
敦・簠・簋など盛食器
- (明堂位・小宰職より)敦は上古は瓦、中古は金または玉飾りとし、時代により形制が変化したこと、有虞氏の敦・主婦が用いる金敦などの制度を記す。
- (博古圖・考古圖より)周宰辟父敦・兕敦・已丁敦・伯&KR1315;父敦など多数の敦の銘文・実測値を記す。牛鼎・花足鼎・慧季鬲・文王鼎・蟠虺鼎・龍鼎など鼎の異例も併せて記す。文王鼎は周公が文王を祭った器と伝わり、蜼(手長猿)の形を足に象るとする。
匜など水器