繹史五行(五行)

白虎通:五行の方位と性質

  • (白虎通より)金木水火土がそれぞれ天の気を運行させる意で「行」と呼ばれ、地が天に仕える臣・妻のような卑位にあるとする。水は北方で万物を養い、木は東方で陽気の始動を、火は南方で陽気の発揚を、金は西方で陰気の始まりによる禁止の働きを、土は中央で万物を包含し四季を支えるとし、それぞれの字義(濡・触・委随・禁・吐)を解説する。
  • 火は陽ゆえ上に、水は陰ゆえ下にあるなど、五行の上下・剛柔の性質と、木火土金水がそれぞれ少陽・太陽・最大・少陰の位置づけを持つことを述べる。

五行相生・相克の理論

  • 木生火・火生土・土生金・金生水・水生木という相生の順により、五行が交代で王(旺)・相・死・囚・休の状態をとることを説明する。
  • 相克の理(多が寡に勝つ、精が堅に勝つ等)に基づき、水が火に勝ち、火が金に勝ち、金が木に勝ち、木が土に勝ち、土が水に勝つ関係を説き、火(陽・君の象)を水(陰・臣の象)が克することの意味(無道の君が臣下に害される喩え)を論じる。
  • 「子が母の仇を報う」という比喩で、金が木を克す関係を火が金を克して報復する連鎖として説明する。

五行と暦・人倫の対応

  • 木が七十二日、土が四季それぞれ十八日ずつ(計九十日)王となる暦法上の配分、五行と四時の対応関係を説く。
  • 水火は独立して常に存在し、金木は微弱で常在するのに対し、火は太陽の精として人君の象徴であり常に藏われているとする陰陽論を展開する。
  • 天子の内明外昧、人の外明内昧という対比、子が父を継ぐ・弟が兄を継ぐ・幼君を大臣が輔佐する・子が父の仇を討つなど、多数の人倫規範を五行の相生相克の理に一つ一つ対応づけて説明する(例:娶妻の親迎は日が沈み陰に下る象、王の九女を娶る制は九州が天の恵みを受ける象など)。

(釈名の五行字義解説を割注に付す)

:釈名では、金は「禁」、木は「冒」、水は「準」、火は「化」、土は「吐」の意とし、それぞれの字が万物への働きかけを表すと解説する。