繹史公食大夫の礼(公食大夫禮)

『儀禮』公食大夫禮篇の全文を引く。君が来聘した大夫を正式な食礼(饗食)でもてなす作法を記す。

招請と出迎え

  • (儀禮公食大夫禮より)君は使者を遣わして賓(来聘の大夫)を招く。賓は儀礼的に三度辞退したのち承知する。当日、君は賓を大門内で出迎え、互いに拝礼して廟門まで進む。

饌の準備

  • (儀禮公食大夫禮より)宰夫が鼎七基を門前に並べ、羹(吸い物)や飲み物を用意する。案内役の位置取りや服装にも細かな定めがある。

迎賓と着席

  • (儀禮公食大夫禮より)君は賓を堂に迎え入れ、幾度も礼を交わしながら順に階段を昇る。大夫・士・小臣などがそれぞれ定位置に並ぶ。

供膳の順序

  • (儀禮公食大夫禮より)鼎から取り出した肉を俎に載せる作法、醯醤(塩辛・醤)・豆(高坏)の配置、黍稷(穀物)・大羹(吸い物)・鉶(羹)を順に供える手順が詳細に記される。上大夫と下大夫では豆・簋・鉶・俎の数に差がある。

賓の食事作法

  • (儀禮公食大夫禮より)賓は韭菹(にらの塩漬け)を供物として捧げ、黍稷・肺を祭ってから食し始める。飯・羹・粱(もちきび)・稲などを順に食べ進め、都度、君と拝礼を交わす。庶羞(副菜)は上大夫二十品、下大夫はそれより雉・兎・鶉などを加えて品数が異なる。

侑幣(食を勧める贈物)

  • (儀禮公食大夫禮より)君は束帛を賓に贈って食を勧め(侑幣)、賓は辞退の作法を経てこれを受け、退出時に君へ挨拶して終える。翌日、賓は改めて朝廷に赴き賜りを謝す。

君が親臨しない場合の代行

  • (儀禮公食大夫禮より)君が自ら食礼を行わない場合は、大夫が代わって侑幣を届け、賓は堂で受け取るが儐(返礼の宴)は行わない。

大夫同士の食礼

  • (儀禮公食大夫禮より)大夫が互いに食礼を行う場合も、招請・出迎え・侑幣などの作法は公食大夫礼に準じるが、階の上り下りなど細部に差がある。

燕(くつろいだ酒宴)

  • (儀禮公食大夫禮より)君が客と燕(略式の酒宴)を催す際の口上のやり取りが記される。君は「不腆之酒(つたない酒ですが)」と謙遜し、客は何度も辞退したのち改めて招請を受けて承知する定型の問答が示される。割注に、四方からの賓客を燕する際は、介を賓として遇し、房中の楽を用いるなどの細則がある。