隋唐演義第二十七回 土木の限りを尽くし煬帝は豪華を極め、浄身を思い王義は佳き伴侶を得る (窮土木煬帝逞豪華  思淨身王義得佳偶)

顯仁宮と西苑の造営

煬帝の奢侈への欲望はますます募り、許庭輔らに繍女選抜を命じる一方、宇文愷に洛陽の顯仁宮を、麻叔謀・令狐達に各地の河道開削を命じ、天下の民力・財力を注ぎ込ませる。顯仁宮が完成すると、虞世基はさらに宮の西に苑圃を築くことを進言し、煬帝は喜んでこれを許す。こうして五つの湖・北海・蓬萊/方丈/瀛洲の三山・十六の御殿を擁する壮麗な西苑が、莫大な費用と人命を犠牲にして造り上げられる。

顯仁宮・西苑の御覧

煬帝は蕭后や妃嬪を伴い東京へ行幸し、まず顯仁宮を見て宇文愷・封德彝の功を称え厚く褒賞する。続いて西苑に入り、五湖・北海・三山・長渠・十六院の壮麗さを心ゆくまで眺め、大いに満足する。虞世基の勧めにより、湖や院にはそれぞれ翠光湖・迎陽湖・金光湖・活水湖・廣明湖、景明院・迎暉院・秋聲院など、由来にちなんだ名が付けられる。

千余名の繍女選抜

許庭輔ら十人は各地で選んだ千余名の繍女を西苑に集める。煬帝は上等・中等の女を苑へ、下等を後宮へ入れるよう命じ、その中から容姿優れた十六人を四品夫人として十六院を分掌させ、さらに三百二十名を美人として各院に配する。煬帝の寵愛と美を競う十六院の生活が始まる。

矮人・王義の登用

南楚道州から矮人の王義が貢がれる。王義は口達者で応対に優れ、煬帝に才知と忠義を訴えて気に入られ、側近として仕えることになる。ある日、王義が宮中に近侍しながら後宮に入れぬことを憂い顔にしていると、煬帝の目に留まる。

王義、淨身を志す

王義の様子を見た太監・張成は戯れに、下の物を切除すれば宮中に入れると持ちかける。王義は本気にし、麻酔薬と止血薬、刀を借りて自ら淨身しようとし、張成の家で酒を酌み交わす。

王義、危うく淨身を免れる

折しも後宮では、新しく選ばれた宮女が方言しか話せず煬帝に応対できず、王義が諸方の言葉に通じていることから召し出されることになる。使いの小内監が張成の家に踏み込むと、まさに施術寸前の王義を発見する。事情を知った煬帝は、淨身は本来幼時に行うもので父母の血を断つ大事だと諭し、王義の淨身を許さない。

姜亭亭との婚姻

召された王義は、新参の宮女(徽州歙県の姜氏、字は亭亭)の言葉を通訳し、その受け答えの見事さに煬帝と蕭后は感心する。事情を聞いた煬帝は、亭亭が兄の強要から逃れるため自ら繍女に志願した経緯を知り、王義に亭亭を妻として賜る。王義は固辞するが煬帝の意を汲んで受け、亭亭と夫婦となり、二人は皇恩に深く感謝しながら睦まじく暮らす。