隋唐演義第十九回 ほしいままに淫を行い盒を賜り心を通わせ、弑逆を敢行し王を助けて御座に昇らせる (恣蒸淫賜盒結同心  逞弒逆扶王升御座)

太子廣の乱倫

  • 独孤皇后の死後、隋文帝は宣華夫人・容華夫人ら後宮の美女に耽溺し、政務を太子楊広に任せきりにする。文帝が仁壽宮で病に伏す中、太子は見舞いにかこつけて宣華夫人に横恋慕し、更衣の際に迫って乱暴しようとする。

文帝、真相を知り激怒

  • 宣華夫人は文帝の元へ戻る際に取り乱した様子を怪しまれ、問い詰められて事の次第を白状する。激怒した文帝は「独孤が私を誤らせた」と嘆き、廃太子を呼び戻そうと柳述・元巌に詔勅の起草を命じる。

弑逆と即位工作

  • 危機を察した太子は楊素・宇文述・張衡らと謀議し、柳述・元巌を偽の詔で捕らえて大理寺に投獄、宿衛の兵も東宮の手勢に入れ替えて宮門を封鎖する。張衡が文帝の寝所に押し入り、女官らを退出させた後、まもなく文帝が崩御したと発表される。宣華夫人は太子による弑逆を疑い、自らも死を覚悟する。

同心結と即位

  • 太子は宣華夫人に、毒薬かと恐れられた金の小箱を贈るが、中身は同心結子(愛情の証の飾り結び)であった。夫人は複雑な思いのまま結局これを受け取り、その夜太子の訪れを拒めずに従う。
  • 文帝の喪が発せられ、楊広は即位して煬帝となる。即位の儀式で御座に上がろうとした際に二度もよろめき落ちかける不吉な場面があったが、楊素の助けでどうにか即位を果たす。廃太子勇は「房陵王」に追封され、事の真相は隠蔽される。