隋唐演義第十回 東嶽廟で英雄は病にかかり、二賢荘で知己と心を語る (東嶽廟英雄染痾 二賢莊知己談心)
単雄信、秦叔寶と知る
- 王伯当と李密は潞州を発ち、深夜に二賢荘へ戻って単雄信に「馬を売ったのは秦叔寶本人だった」と伝える。驚いた単雄信は三人で夜通し語り合い、翌朝秦瓊を追おうとするが、既に旅立った後だった。折しも実兄・単雄忠が李淵に誤射されて亡くなったとの凶報が届き、単雄信は追跡を断念して喪に服すことになる。
秦叔寶、道中で発病
- 秦瓊は徒歩で帰途につくが、疲労と寒さ、粗食による内傷が重なり発熱する。潞州から十里の地にある東嶽廟にたどり着いたところで倒れ、境内の敷石を割るほどの音を立てて昏倒する。
道士・魏徴との出会い
- 東嶽廟の観主は魏徴(字は玄成)。博識で大志を抱きながら不遇をかこち、道士として身を隠していた人物で、友人徐洪客の勧めで乱世に備え豪傑と交わろうとしていた。
- 魏徴は病んだ秦瓊を介抱し、薬を煎じて世話をする。金鐧・荷物・批文などを預かり、十四日ほどかけて秦瓊の病を癒す。
廟での嫌がらせと単雄信との再会
- 三元の祭日、廟に集まった人々は、みすぼらしい病人を匿う魏徴を非難する。折しも亡兄の追善供養に訪れた単雄信が、境内で見覚えのある金鐧を見つけ、魏徴に事情を尋ねる。
- 病から回復しかけていた秦瓊が壁に胸中を詠んだ詞を書きつけているところへ単雄信が現れ、ついに正体が判明する。単雄信は秦瓊を伴って二賢荘へ連れ帰り、手厚くもてなす。魏徴・秦瓊・単雄信の三人はここに固い友情で結ばれる。
母の心配と樊建威の再出発
- 一方、斉州の秦瓊の母は息子の帰りが遅いことを案じて病に伏す。友人の賈潤甫や同僚たちが見舞いに訪れ、樊建威が旅費を秦瓊に渡さぬまま帰郷したことを責める。
- 樊建威は事情を釈明し、秦瓊の母から書状と旅費を託されて、再び潞州へ秦瓊を捜しに出発する。