隋唐演義第二回 楊広は讒言を用いて地位を奪い、独孤后は嫉妬から宮妃を殺す (楊廣施讒謀易位 獨孤逞妒殺宮妃)
晋王の奪嫡工作
- 晋王楊広は太子勇を廃して自らその座を奪おうと図る。独孤皇后が太子の側室を嫌い、質素倹約を好むと知ると、正妻蕭妃だけを愛し、質素な生活を演じて皇后の歓心を得る。皇后の側近にも贈り物をして、晋王の評判を高めさせた。
宇文述の献策
- 晋王は揚州総管時代に知り合った策士・宇文述と謀を練る。宇文述は「皇后の心をさらに固めるため苦肉の策を用いること」「朝廷内に信頼される大臣を味方につけ、太子の罪を告発させること」を進言し、多額の資金を求めた。
楊素・楊約への工作
- 宇文述は楊素の弟・楊約に近づき、賭け事にわざと負けて財宝を贈り、恩を売る。さらに「太子が即位すれば楊素兄弟の権勢は脅かされる。今のうちに晋王擁立に加担すれば末長い富貴を得られる」と説き、楊約を動かす。
- 楊約は兄楊素に、太子から恨まれていると偽って危機感を煽り、廃立に協力させることに成功する。
太子失脚
- 晋王は皇后に「太子が自分を陥れようとしている」と泣いて訴え、皇后の怒りをかき立てる。
- 楊素も宮中で晋王を称え太子を貶める讒言を重ね、皇后と結んで隋主に働きかける。開皇二十年、隋主はついに太子勇を廃して庶人とし、諫言した臣下も処罰される。同年十一月、晋王が皇太子に立てられ、宇文述は東宮の要職に就いた。
独孤皇后の嫉妬と尉遅氏の死
- 独孤皇后は極めて嫉妬深く、隋主が寵愛する妃はほとんどいなかった。皇后が病臥中、隋主は宮中を歩き回るうち、仁壽宮の若い宮女・尉遅氏に目を留め、一夜を共にする。
- これを知った皇后は激怒し、仁壽宮に乗り込んで尉遅氏を打ち据えさせ、命を奪ってしまう。隋主は激怒し宮中を飛び出そうとするが、高熲に諫められて思いとどまる。
独孤皇后の死と後宮の変化
- この一件で気に病んだ独孤皇后は病が重くなり、まもなく崩御する。隋主は後宮から陳氏(宣華夫人)・蔡氏(容華夫人)を新たに寵愛するようになり、以前よりも宮中の暮らしを楽しむようになった。
隋主の不吉な夢
- ある夜、隋主は政務の合間にうたた寝し、都城が大水に呑まれる夢を見て目を覚ます。夢を「水難の兆し、あるいは水偏の姓名を持つ者が国難をもたらす前兆」と考え、猜疑心を強めていく。この夢が何を意味するかは次回に続く。