- 上古の聖人はただ皇極を建て、天地を経緯し、天象を観て法を立て、文字を作って世界に通わせ、朝廷に掲げた。その効用は大きく、先王はこれによって大業を輝かせた。夏の時代にも慎み深く後世を鑑み、永く典範とした。
- 典を立てるには五つの志がある。一に道義に達すること、二に法式を明らかにすること、三に古今に通ずること、四に功勲を著すこと、五に賢能を表すこと。これによって天と人との関わり、事物の適否があざやかに現れ、備わらぬものがなくなる。
- 世々その道すじを継いで業を失わず、増減や盛衰は時とともに移り変わる。善悪は同じでなくとも筋道は一つである。
- そこで聖上は文の衰えを憂え、前後を見渡してこれを継ぎ維持しようとされた。臣悅は秘書の職を監し、人材の乏しいなか官を代行しつつ明詔を承け、旧書を約めて撰し、通して叙述し、すべてを帝紀の形にまとめた。年月を並べ、時々の事を対比し、要点を撮んで大綱を挙げ、大体を残して欠けるところを少なくした。
- できるだけ簡約に務めて本書『漢書』の副本とし、要点を記した紀とした。中正を得られていないかもしれないが、それぞれの志であり、その得失は後の君子の判定を俟つ。