殘唐五代史演義傳第二十三回 朱温、上源駅を火で焼く (朱溫火燒上源驛)

招宴への出立

周徳威の諫めにもかかわらず晋王は赴宴を決め、程敬思・史敬思・郭景銖・周清の四将に三千の兵を率いて護衛させた。

宴席での謀殺未遂

朱温兄弟は晋王一行を出迎え、公廳に招いて酒宴を開いた。朱温が席を外した隙に、朱温の妻・玉鑾英が晋王に「兄上、朱温には殺意がある、前後の宅内に兵が伏せてある、金鐘の音を合図に剣舞を装って殺そうとしている」と涙ながらに警告した。酔った晋王はこれをそのまま朱温に語ってしまい、鑾英は聞かれたことを悟って自縊した。

史敬思の奮戦と脱出

朱温は金鐘を鳴らし、剣士八人を舞わせると見せかけて晋王を襲わせた。史敬思がこれに立ち向かい、五人を斬り三人を敗走させ、朱温自身の首に剣を突きつけて君臣を宅外へ逃した。

上源駅の火攻めと落雷

朱温は楊彦洪に命じて上源駅を包囲・放火させた。程敬思は酔って屋の柱を抱いたまま焼死したが、大雨が降って火を消し止め、晋王ら残る者は難を逃れた。

史敬思の壮絶な最期

逃げる晋王一行を朱温の兵が追撃し、史敬思は殿軍となって奮戦、多くの敵将を討ち取ったが、槍傷を負いながらも戦い続け、ついに自刎して果てた。郭景銖も橋から落ちて溺死した。晋王は矢が尽きるまで応戦したが、なお朱温軍に追い詰められたところへ、李存孝が旗を翻して駆けつけた。

評語

卓吾子曰く、朱温は臣たる分を弁えず忠良を害そうとした。単なる復讐ではなく克用の功高きを妬んだのである。しかし克用もまた酒に溺れる者で、周徳威の諫めを聞かず鑾英の言葉も裏切ってしまい、三将を失う結果を招いた。焼け死なずに済んだとはいえ、恥じ入るべきことである。