殘唐五代史演義傳第十一回 李晋王、兵を閲し箭を試す (李晉王閱兵試箭)

安景思の武装と試馬

  • 晉王は虎を仕留めた安景思を大いに喜び、虎の頭を兜に、皮を鎧と靴にあつらえ、畢燕撾・獅子鎧・鉄槍を揃えて全身を武装させた。
  • 景思は乗馬の経験がなく試したが、押さえるだけで馬が倒れてしまう。周徳威は「勇将には駿馬が要る」と進言し、晉王は自らの愛馬「千里渾」を出したが、それも倒れた。
  • そこで西涼州から献上され後営に鉄鎖で繋がれていた荒馬を解いて与えると、景思はその馬に飛び乗り乗りこなし、無事に戻ってきた。

十三太保・李存孝の誕生

  • 晉王は景思の勇に感じ入り、十三番目の太保に取り立てて李存孝と改名させ、「飛虎大将軍」の号を与えた。薛鉄山・賀黑虎を副将に付け、飛虎兵三千を率いさせた。
  • 蕭・劉二妃の取り計らいで存孝は鄧瑞雲と婚礼を挙げた。
  • (詩:晉王が心を尽くして人を用いたことを称える三首。存孝の出自と武勇、夢の予兆にまつわる内容)

先鋒を賭けた弓比べ

  • 存孝は先鋒の役を望んだが、周徳威は「他の太保たちの手前、いきなり印を与えては不満が出る」と諫め、弓比べで先鋒を決めることを提案。晉王も同意した。
  • 紅袍隊(十三太保)と緑袍隊(五百家将)に分かれ、百歩先の的への三射で競うことになった。
  • 康君利は的を外し、晉王の怒りを買って処刑されかけたが周徳威の取り成しで鞭打ちに減じられた。以後、君利は存孝への嫉妬と害意を抱くようになる。
  • 夏日新は一箭のみ命中、李從信は三射中一中、李嗣源は背射で三射中二中と、いずれも先鋒には届かなかった。
  • 最後に李存孝が登場し、三射すべて命中させた上、柳の梢に掛けた錦の戦袍まで射抜いて手に入れ、満場の喝采を浴びた。晉王はこれを見て存孝を先鋒に任じ、祝宴を開いた。

安休休・薛阿檀を降す

  • 祝宴の最中、轅門外に敵の一隊が現れたとの報せが入った。存孝は自ら出陣し、名乗り出た安休休・薛阿檀の二将をたちまち生け捕りにした。
  • 晉王は喜び、二将を存孝の配下に付け、三人は義兄弟の契りを結んだ。

大潼城での歓待と河中への進軍

  • 晉王軍は居延川に一月留まった後、大潼城へ進む。城の李友金が出迎え、義兄弟の礼を交わした。
  • 友金は「長安攻めに自らも同行したい」と申し出たが、晉王は勅命がないことを理由に断り、代わりに部将の史敬思・郭景の二将と兵二万を差し出させた。
  • 晉王軍は河中府を目指して進み、石嶺関の近くに至り、翌日の攻城に備えて陣を敷いた。