- 要旨: 乙酉(1645年)年四月十四日、督師の史可法が白洋河の防衛線を失って揚州へ敗走し、城門を閉ざして籠城の構えを取る。著者の自宅には楊姓の武将が守備兵として入り込み、著者は酒食で歓心を買おうとするが、その席の最中に史可法からの急報が届き、事態は緊迫へと転じる。
史可法の敗走と閉城
- 乙酉(1645年)年夏四月十四日、督師史可法は白洋河の防衛に失敗し、狼狽して揚州へ逃げ帰った。
- 史可法は揚州城を閉ざして敵を防ぐ構えを取った。
- 二十四日に城が破られるまでの間、各城門にはそれぞれ兵が配置されていた。
楊将軍への取り入り
- 著者の自宅は新城の東側にあり、楊姓の将が守備を担当した。
- 官吏や兵卒は碁石を並べるように市中に配置され、著者の家にも二人の兵が寄宿し、隣家も同様であった。
- 兵の出入りは横暴を極め、日々の供給費用はかさみ、家では負担が続かなくなった。
- やむを得ず、著者らは相談してこの隊の主将(楊将軍)を酒宴でもてなすことにした。
- 著者はことさら恭しく振る舞い、酒を酌み交わして歓心を買った。主将は喜び、配下の兵に少し離れているよう命じた。
- 主将は音楽を好み、琵琶を得意とし、名妓を招いて軍務の合間の慰みにしたいと望んでいた。
- その夜、主将は著者を酒宴に招き、大いに楽しむつもりであった。
急使の到来
- ところが突然、督師史可法から一片の書状が届いた。
- 主将はそれを見て顔色を変え、急いで城壁に上って行った。
- 著者たちの一座も、そのまま散会となった。