楊家將演義第十回 八王が反間の計を献じ、光美が楊業を説く (八王進獻反間計 光美奉使說楊業)
八王の反間の計
- 楊家父子を武力で降せぬことに悩む太宗に、八王は河東に間者を送り離間の計を用いることを進言。太宗は楊光美を選び、多額の黄金・錦・宝物を持たせて河東へ送る。
趙遂を籠絡する
- 光美は劉鈞の寵臣・趙遂に賄賂を贈り、「楊業父子が驕り高ぶれば貴殿の寵愛が薄れる、宋と講和が成れば貴殿の地位は盤石になる」と説き、楊業を疎んじさせるよう仕向ける。
- 私欲に駆られた趙遂は、楊業が宋から金品を受けて内応する企てだとの流言を河東中に広める一方、宋側には「戦わず時を稼げば成功する」と密かに伝える。
宋軍の持久策と楊業への疑い
- 太宗は光美の勧めに従い、各営に守りを固めて挑発に応じぬよう命じる。楊業は連日出撃を試みるも宋軍が応じず、河東内では楊業内通の噂がますます広まる。
楊業、捕縛の危機
- 趙遂は劉鈞に「楊業は宋と通じ叛乱を企てている」と讒言。劉鈞は楊業を宮中に呼び出し、佩刀を投げるのを合図に伏兵で捕らえさせる。
- 楊業は無実を訴えるが、劉鈞は「戦わぬこと・報告を怠ったこと・かつて講和したこと」の三点を反逆の証拠とし処刑を命じる。宋斉丘の諫めもあり、丁貴の取りなしで「まず出兵させ、敗れたら斬る」という条件付きで釈放される。
楊業、応州へ撤退
- 楊業は讒言による陥穽と悟りつつも、忠義を尽くすため出兵を続けようとするが、子の延徳らは撤退と宋への帰順を勧める。
- 延嗣・延朗が出陣するも宋軍は応じず、楊業はやむなく軍を応州へ退かせる。
光美、再び楊業を説く
- 太宗は楊業が窮地にあると知り、光美の献策により再度の調略を行う。光美は楊業の陣中に赴き、捕らえられかけるも堂々と弁舌をふるい、「良禽は木を選び、賢臣は主を選ぶ」と説いて楊業を動かす。
- 光美はわざと「無佞宅」「梳装楼」など宋が用意した優遇の図面を陣中に落としていき、延徳らがこれを拾って心を動かされる。
楊業、帰順を決意
- 河東からの兵糧・恩賞が滞り、楊業は追い詰められる。夫人の余氏や娘の八娘・九妹も帰順を勧め、楊業はついに宋への帰順を決意する。
- 楊業は牙将の王貴の進言に従い、まず宋側に使者を送って正式な使者を求める。太宗は楊光美の推挙により文臣・牛思進と武臣・呼延賛を勅使として派遣し、詔書を届けさせる。
- 楊業は二人を迎え入れ、丁重にもてなす。夫人の勧めもあり、帰順の準備として辺境の軍馬を集め、府庫の金帛を運び出す支度を始める。
評語
後人の詩は、山川の霊気が太原に英雄を生んだと讃え、楊家父子が大宋に帰順したことで契丹も手をこまねき国境が定まったと結んでいる。