東周列國志第四十八回 先克が刺され五将が晋を乱し、寿餘が偽り士会を秦から召す (刺先克五將亂晉  召士會壽餘紿秦)

先克暗殺と趙盾の追及

先都・士穀・梁益耳は、趙盾が秦軍を撃退して威信を高めたことに苛立つ。田禄を奪われて恨む蒯得を仲立ちに、先都は先軫の祠へ参拝する先克を刺客に襲わせて殺す。趙盾は厳しく犯人捜索を命じる。

陰謀の露見と一斉処断

先都・士穀らは事の露見を恐れて挙兵を急ぐが、梁弘・臾駢を通じて計画が趙盾に伝わる。趙盾は先都を捕らえ、箕鄭父を朝に呼び出して油断させたうえで士穀・梁益耳・蒯得も一網打尽にする。晋靈公は幼く趙盾に一任、襄夫人の減刑の願いにもかかわらず、趙盾は先都・士穀・箕鄭父・梁益耳・蒯得の五人を処刑する。狐射姑は潞国でこれを聞き、九死に一生を得たことを喜ぶ。

楚の鄭・陳侵攻

楚の穆王は晋の内紛に乗じて鄭・陳へ出兵する。鬥越椒は偽計で鄭の三将(公子堅・公子龐・樂耳)を油断させて夜襲を誘い、伏兵で撃破して捕らえる。鄭は降伏し人質を釈放させる。陳も別働隊に敗れ楚に恭順する。

厥貉の会と宋公の受難

楚穆王は陳・鄭・蔡の君主を集めて厥貉で会し、狩猟に興じる。宋の昭公も慌てて参会するが、燧(火種)を忘れた過失で御者を鞭打たれる恥辱を受ける。楚の威勢は中原に及び、晋は手を出せない。

秦の再侵攻と河曲の対陣

秦康公は令狐の遺恨から晋を攻め、羈馬を陥す。趙盾は荀林父・臾駢・郤缺らを配して迎え撃つ。新任の司馬・韓厥は趙盾の私用の車すら軍法どおりに処断し、趙盾はかえってその公正さを賞賛する。臾駢の献策で晋軍は堅壁を守り秦軍を疲れさせる策をとる。

趙穿の独断と河曲の戦

秦の策士・士会(秦に亡命中)の計により、趙盾に不満を持つ趙穿が挑発に乗せられて単独出撃するが、趙盾は全軍を出して救援し交戦となる。秦は決戦を申し込むが、臾駢は夜襲を見抜いて伏兵策を提案する。趙穿・胥甲がこれを漏らして秦軍を撤退させてしまい、趙盾は胥甲のみを処罰し趙穿は縁者ゆえ不問とする(詩:趙盾の不公平を批判する一首)。

士会奪還の計

趙盾は秦にいる狐射姑・士会の存在を憂い、臾駢の紹介で魏の壽餘を使った偽装亡命の計を立てる。壽餘は偽って秦へ投降し、士会を伴って魏の地を接収に来させるよう仕向ける。秦康公は疑う繞朝の諫めを退けて士会を壽餘に同行させてしまう(詩:繞朝の諫めが容れられなかったことを詠む一首)。士会と壽餘は黄河を渡り、東の晋へ向かう。