東周列國志第四十三回 甯兪が偽りの鴆酒で衛を復し、老いた燭之武が城を降り秦を説く (智甯俞假鴆復衞  老燭武縋城說秦)

諸侯を率いて許を討つ

  • 周襄王が京師へ帰るのを見送った晋文公は、楚に通じて晋に従わない許を諸侯とともに討つことを提案し、斉・宋・魯・蔡・陳・秦・莒・邾の諸侯が従う。
  • 鄭文公は内心楚に未練を残し、疫病を口実に会に加わらず密かに楚へ通じるが、楚成王は敗戦後で兵を出せず許を救えない。諸侯軍は許を包囲する。

曹伯の復国

  • 五鹿に留め置かれていた曹共公は、家臣の侯獳を通じて太卜郭偃に賄賂を贈り、病床の晋文公が見た悪夢を「曹の始祖・振鐸の祟り」と解釈させる。
  • 文公はこれを信じて曹伯を赦して復国させ、病も快方に向かう。許も降伏し、諸侯軍は解散する。秦穆公とは「今後互いに軍事で助け合う」との約束を交わし、晋文公も帰国して休養する。

衛成公の幽閉と寧俞の奇計

  • 京師に送られた衛成公は、文公の内命を受けた医官・医衍により毒殺されかけるが、忠臣寧俞が事前に事情を察し、医衍と示し合わせて毒を薄めさせ、「神霊が現れて毒杯を打ち落とした」という芝居で衛侯を救う。
  • 文公はこの奇跡を信じ、医衍を罰しない。 (詩:寧俞の機転を称える史官の詩)

衛侯の赦免

  • 魯の臧孫辰は「晋侯が衛侯を刑を用いず毒殺しようとしたのは、公然と誅すのを憚っている証拠」と読み、周王・晋文公双方に取り成しを働きかける。
  • 晋文公はこれを容れ、衛成公を釈放して帰国させる。

元咺誅殺と衛成公の復位

  • すでに公子瑕を擁立していた元咺が国を固めているため、衛成公は寧俞の策で、瑕擁立の功に見合う地位を得られず不満を抱く周歂・冶廑を内応させ、元咺を城門で謀殺させる。
  • 混乱の中、公子瑕の弟・子儀も殺され、公子瑕は井戸に身を投げて死ぬ。周歂・冶廑は衛成公を迎え入れ復位させる。
  • 復位後の廟参りの日、周歂は突然元咺の霊に取り憑かれたように狂乱して悶死し、冶廑も程なく病死する。寧俞は功により上卿を望まれるが孔達に譲り、自らは亜卿にとどまる。 (詩:元咺の忠義と衛成公の薄情を惜しむ詩)

秦晋、鄭を攻める

  • 周襄王十二年、晋文公は鄭の不礼と楚への内通を理由に出兵を決意し、秦にも参戦を求める。亡命鄭人の公子蘭は同行を辞退しつつ従軍し、晋・秦連合軍は鄭の都を函陵・氾南から挟撃して包囲する。
  • 窮した鄭文公は、大夫・叔詹の推挙で老臣・燭武を秦穆公のもとへ夜陰に紛れて遣わす。燭武は「鄭を滅ぼしても秦の利益にはならず、むしろ晋を強大化させて秦の脅威となる」と説き、秦穆公を翻意させる。
  • 秦穆公は燭武と盟を結び、密かに杞子・逢孫・楊孫の兵二千を鄭に残して撤兵する。晋文公はこれを知って激怒し、狐偃は秦軍への追撃を進言するが、文公の決断は次回に持ち越される。