鐵冠圖全傳第四十八回 天機漏れ鉄冠図開かれ、日輪昇り妖魔星墜つ (泄天機鐵冠圖開 日輪升妖魔星墜)
唐通による説得と呉三桂の偽りの承諾
- 李自成は、唐通を使者として呉三桂の投降を試みることにし、成功すれば王爵と厚い恩賞を約束、応じねば三十万の兵で攻めさせると告げる。
- 唐通は山海関近くに本陣を布き、単身で呉三桂の陣を訪ねて説得する。呉三桂は表向き感謝しつつ、「父が李自成に捕らわれている手前、先に清と結んだ約束を反故にはできない。まず清軍と一戦を交えて功を立ててから帰順する」と偽りの承諾を述べる。
- 唐通はこれを信じて喜び、翌日呉三桂と共に清軍と対峙する手筈を整えるが、実際は呉三桂の計略にはまっていた。
唐通・李自成の大敗
- 交戦するや清軍の精鋭に唐通軍は撃破され、退却中に呉三桂軍の伏兵の挟撃も受けて壊滅、唐通自身も負傷して敗走する。三十万の兵はわずか二、三万にまで減った。
- 李自成は激怒し、六十万の大軍と百人の将を率いて自ら呉三桂と戦うが、清軍の猛攻の前に総崩れとなり、十中七、八が戦死、残余も四散する大敗を喫した。
鐵冠圖の三幅
- 戦況の悪化に鬱々とした李自成は、気晴らしに宝物庫を見物する。洪武帝以来伝わる鉄の箱を開けさせると、鉄冠道人が奉った三幅の絵図が現れる。
- 一幅目は天兵天将が十八人の童子を奪い合う様、二幅目は髪を乱し梁に首を吊った大男の姿、三幅目には「天下万万年」の五文字だけが記されていた。李自成にはその意味が全く理解できず、そのまま箱に戻させて宮へ帰った。