鐵冠圖全傳第三十三回 劉知府敵を信じ良民を害し、包県令主に代り賊を討つ (劉知府信敵害良 包縣令替主報賊)

疑わしい書状に驚く湘王

  • 湘王は劉知府から差し出された書状を見て顔色を変える。劉民敬は、城外から流賊が射込んできたものを百姓が拾い、鮑三剛が流賊と内通している証拠だと説明する。
  • 劉民敬は、鮑三剛が兵権を握る武官である以上、先手を打って王府に誘い出し、伏兵で討ち取るべきだと進言。湘王も同意し、御林軍数十名を両廊に伏せさせ、咳払いを合図に討ち取る手はずを整える。

鮑三剛、誘い出され処刑される

  • 包知県は軽率な判断を諫めるが、劉民敬に一味を疑われて口をつぐまされる。
  • 鮑三剛は呼び出されて参内した途端、伏兵に取り押さえられる。身に覚えがないと訴えるが、劉民敬は偽書を突きつけて罵る。
  • 鮑三剛は、筆跡や宛先の不自然さ、また自分が守将でありながら流賊を手引きする意味がないことを論理立てて弁明するが、劉民敬に押し切られ、湘王の命で斬首される。連行される途中、城内の民に籠城を続けるよう呼びかけ、榆林の父母への言付けを頼む。百姓は皆涙し、市も止まる。

李岩の嘲りと劉知府の後悔

  • 城外の李岩は鮑三剛の首級を見て大笑し、偽書による計略が成功したこと、湘王を差し出さねば攻め落とすと城内に呼びかける。
  • 包知県は劉民敬に、自分が偽書だと言ったのに聞き入れず忠臣を殺したと責める。劉民敬は自らの過ちを悟り、鮑三剛に詫びながら城壁から身を投げて死ぬ。

包知県、身代わりを申し出る

  • 包知県は湘王に事の次第を報告し、湘王は自ら賊に身を委ねて城内の民を救おうとするが、包知県が身代わりとなる策を申し出る。容姿が似ていることを利用し、自分が王の姿で賊営に赴き、その間に湘王は変装して帰徳府の潞王のもとへ逃れるという計画である。
  • 湘王は感謝しつつも躊躇するが、包知県に説得され承諾。湘王一行は着替えて後宮へ下がり、包知県は王の衣装で輿に乗り、御林軍や郷紳に伴われて賊営へ向かう。