帝王略論卷三 三國君主

本巻の目次(原文所載)

  • 三國君主/晉宣帝與諸葛亮/晉景帝與晉文帝/晉武帝/晉惠帝/晉元帝/謝安/晉明帝/晉孝武帝/桓玄

魏・蜀・呉の三主への評

  • 問い:漢の火徳が衰えて天下が分裂した後、曹操は天子を擁して諸侯に号令し、劉備は蜀漢の険阻に拠り、孫権は江淮の要害を負い、三分天下の鼎立を成した。三方の君主に優劣はあるか。
  • 答え(虞世南):曹操は兵略・智謀に長け、王朝の基礎を開いた英雄の才を持つが、権謀に長け猜疑心が強く、伏皇后の殺害、荀彧の毒殺、孔融の誅殺、崔琰の殺害など酷薄な行いが多く、婁生は一言で殺され、桓邵は跪拝させられて辱められた。徳を捨てて刑を用いるその過酷さは甚だしく、「乱世の姦雄」という許劭の評は当たっている。
  • 劉備は劉璋を賓客の礼で遇し、諸葛亮を疑いなく委任した点で君主の徳として美しい。諸葛亮は不世出の奇才で伊尹・呂尚に並ぶ人物であり、君臣は魚水の間柄であった。ただ蜀は国が小さく兵が弱く、一隅にあって魏・呉の二方に対抗せねばならなかった。もし曹操と立場を入れ替え、その智略を存分に発揮し、関羽・張飛の武勇と諸葛亮の文治を尽くさせれば、覇業は成っていただろう。
  • 孫権は兄(孫策)の遺産と先代の補佐を用い、天険に頼ってようやく自立を保ったに過ぎず、曹操・劉備の二人に比べれば及ばない。