宋史卷四百四十四 列傳第二百三 朱長文
生涯
- 朱長文、字は伯原。蘇州呉の人。20歳前で進士乙科に及第したが足の病で吏職を試みず、「楽圃坊」に室を築いて著書に励んだ。呉人はその賢を敬い、長吏は誰しもまず訪問し政の急務を尋ねなければ士大夫の面目が立たないとされるほどで名声は京師にも及び多くの公卿が自らの代役に推薦した。
- 元祐中、郷里で教授として起用され太学博士、祕書省正字に遷ったが元符初に没した。哲宗はその清廉を知り絹百疋を賻贈した。文集三百巻、六経すべてに弁説を著し、また『琴史』を著してその序に「朝廷が太平の功を成し礼楽を作り商周に比す時、この書もまた虚文ではないはずだ」と記した。その志の高さがうかがえる。