宋史卷一百三十八 樂志第九十一 樂十三(樂章七)

  • 本巻は朝会(皇帝が朝廷で群臣と対面する儀)、御楼(城楼に登り大赦などを行う儀)、皇太后・皇后・太上皇帝への上尊号・冊宝奉呈で用いられた楽章の集成である。朝会の楽章には、皇帝が杯を挙げるたびに白亀・甘露・紫芝・嘉禾・玉兎などの瑞祥を讃える組曲が多く含まれる。

建隆乾德朝會樂章二十八首

建隆・乾徳年間の朝会楽章。皇帝升坐隆安・公卿入門正安・上壽禧安に続き、皇帝が杯を挙げるごとに瑞祥を讃える五曲(第一盞白龜・第二盞甘露・第三盞紫芝・第四盞嘉禾・第五盞玉兎)を奏する。羣臣舉酒正安、羣臣が杯を挙げるごとに奏する「玄德升聞」「天下大定」(各々複数の続き歌〈六變〉を伴う長編の頌詞)が続き、太祖の文治武功・天下平定を讃える。

淳化中朝會二十三首

上壽和安に続き、皇帝が杯を挙げるごとに祥麟・丹鳳・河清・白亀・瑞麦の瑞祥を讃える五曲、羣臣が杯を挙げるごとに奏する「化成天下」「威加海内」(各々続き歌〈六變〉を伴う)からなる。

景德中朝會一十四首

皇帝升坐隆安・公卿入門正安・上壽和安に続き、皇帝が杯を挙げるごとに祥麟・丹鳳・河清の三瑞を讃える曲、羣臣舉酒正安、初舉酒畢「盛德升聞」・再舉酒畢「天下大定」(文舞・武舞を伴う)、降坐隆安で結ぶ。

大中祥符朝㑹五首

皇帝が杯を挙げるごとに醴泉・神芝・慶雲・霊鶴・瑞木の瑞祥を讃える五曲。

熙寧中朝㑹六首

皇帝が杯を挙げるごとに慶雲・嘉禾・霊芝の瑞祥を讃える曲。

元符大朝㑹三首

皇帝が杯を挙げるごとに霊芝・寿星・甘露の瑞祥を讃える曲。

哲宗傳受國寶三首(與大朝㑹兼用)

永昌・神光・翔鶴の三曲。哲宗が伝国の宝を受けた際の楽章で、大朝会でも兼用する。

紹興朝㑹十三首

皇帝升坐乾安・公卿入門正安(升降も同曲)・上公上壽和安に続き、皇帝が杯を挙げるごとに瑞木成文・滄海澄清・瑞粟呈祥の瑞祥を讃える曲、羣臣酒行正安、酒一行文舞・酒載行武舞、皇帝降坐乾安で結ぶ。

建隆御樓三首

南郊回仗駕至樓前采茨・升坐隆安・降坐隆安。郊祀を終え城楼に登る儀の楽章。

咸平御樓四首

采茨・索扇隆安・升坐隆安・降坐隆安。

咸平籍田回仗御樓二首

采茨・升坐隆安。籍田の儀を終え城楼に登る際の楽章。

乾興御樓二首

升坐隆安・降坐隆安。

紹興登門肆赦二首

升坐乾安・降坐乾安。城門に登り大赦を行う儀の楽章。

寧宗登門肆赦二首

升坐乾安・降坐乾安。

皇帝上尊號一首

冊寶入門正安の一曲。皇帝自身に尊号を上る儀の楽章。

明道元年章獻明肅皇太后朝會十五首

皇太后升坐聖安・公卿入門禮安・皇帝上壽酒崇安・上壽福安に続き、皇太后が杯を挙げるごとに玉芝・寿星・連理木の瑞祥を讃える曲、羣臣酒行禮安、酒一行「厚德無疆之舞」・酒再行「四海㑹同之舞」、降坐聖安で結ぶ。仁宗が母である章献明粛皇太后を敬い奉る内容。

治平皇太后皇后冊寶三首

皇帝升坐乾安・太尉等奉冊寶入門正安・皇帝降坐乾安。皇太后・皇后に冊宝を奉る儀の楽章。

熙寧皇太后冊寶三首

出入正安・升坐乾安・降坐乾安。

哲宗上太皇太后冊寶五首

皇帝升坐乾安・降坐乾安、太皇太后升坐乾安・降坐乾安、太尉等奉冊寶出入門正安。哲宗が太皇太后(宣仁皇后)に冊宝を上る儀の楽章。

紹興十一年發皇太后冊寶八首

皇帝隨冊寶降殿聖安・中書令奉冊詣皇帝褥位禮安・侍中奉寶詣皇帝褥位禮安・太傅奉冊寶出門聖安・太傅奉冊寶入門聖安・太傅奉冊授提㸃官禮安(二曲)・冊寶升慈寧殿幄聖安。皇太后(韋太后)に冊宝を送る儀の楽章。

乾道七年恭上太上皇帝太上皇后尊號十一首

太上皇帝(髙宗)・太上皇后に尊号を上る儀の楽章。冊寶降殿正安・中書令侍中奉冊寶詣殿下正安・皇帝奉太上皇帝冊寶授太傅用禮安(太上皇后も同曲)・冊寶出門正安・冊寶入德壽宮門正安・太上皇帝升御坐(降も同曲)・太傅奉太上皇帝冊寶升殿用聖安・太傅奉上皇后冊寶升殿用聖安・皇帝從太上皇后冊寶詣宮中用正安・太上皇后出閤升御坐坤安(降も同曲)・内侍官舉太上皇后冊詣讀冊位用聖安からなる。

淳熙二年發太上皇帝太上皇后冊寶十一首

乾道七年の儀と同様の構成(冊寶降殿正安・中書令侍中奉冊寶詣殿下正安・皇帝奉冊寶授太傅禮安・冊寶出門正安・冊寶入德壽宮門正安・太上皇帝升御坐乾安〈降も同曲〉・太傅奉冊升殿聖安〈太上皇后分も含む〉・皇帝從太上皇后冊寶詣宮中用正安・太上皇后出閤升御坐坤安〈降も同曲〉・内侍官舉太上皇后冊詣讀冊位用聖安)で、太上皇帝・太上皇后に再び冊宝を奉じた際の楽章。

淳熙十二年加上太上皇帝太上皇后尊號十一首

大慶殿發冊寶降殿正安・中書令侍中奉太上皇帝冊寶太上皇后冊寶詣殿下用正安・皇帝奉太上皇帝冊寶授太傅(太上皇后冊寶も同様)・冊寶出門正安・德壽宮冊寶入殿門正安・太上皇帝出宮升御坐乾安(降坐も同曲)・太傅中書令侍中奉太上皇帝冊寶升殿用聖安・太傅中書令侍中奉太上皇后冊寶升殿用聖安・皇帝從太上皇后冊寶詣宮中用正安・太上皇后出閤升御坐用坤安(降坐も同曲)・内侍舉太上皇后冊寶詣讀冊寶位用聖安からなる。太上皇帝・太上皇后双方に徽号を加える儀の楽章で、天地に等しい徳と長寿を讃える。