宋史卷七十二 律厯志第二十五 律暦五(崇天暦・歩日躔/歩月離/歩晷漏)
歩日躔(太陽運行の算出法)
- 基本定数:周天分三百八十六萬八千六十五秒二。周天度三百六十五度(虚分二千七百一十五秒二、約分二十五秒六十四)。歳差一百二十五秒二。乗法三十二。除法四百八十七。秒法一百。
- 常気ごとの中積・昇降分・盈縮分・損益率・朏朒積を掲げた立成表があったが、底本では罫線のみで数値が失われている(□(底本欠字、罫のみで数値なし))。
- 続いて、毎日の盈縮定数、経朔弦望の入気、定気日、経朔弦望入気朏朒定数を、上記の定数と乗法・除法・秒法を用いて逐次算出する計算手順が記される。
- 赤道宿度(二十八宿の赤道上の度数):斗二十六度・牛八度・女十二度・虚十度(及び分)・危十七度・室十六度・璧九度(以上、北方七宿九十八度、虚分二千七百一十五秒・約分二十五秒六十四)。奎十六度・婁十二度・胃十四度・昴十一度・畢十七度・觜一度・参十度(西方七宿八十一度)。井三十三度・鬼三度・柳十五度・星七度・張十八度・翼十八度・軫十七度(南方七宿一百一十一度)。角十二度・亢九度・氐十五度・房五度・心五度・尾十八度・箕十一度(東方七宿七十五度)。以上はいずれも赤道度で、畢・觜・参・輿鬼の四宿の度数は古度と異なり、大衍暦以来、渾天儀による実測で定めたものである。
- 天正冬至の赤道日度、二十四気の赤道日度、二十四気昏後半の赤道日度、赤道宿積度、赤道宿積度の入初末限をそれぞれ求める算式が続く。
- 二十八宿の黄道度を赤道度から換算する算式(赤道宿の入初末限度から一百二十五を減じ、十二で除して黄赤道差を得る等)が示される。黄道宿度:斗二十三度太・牛七度半・女十一度半・虚十度(秒六十四)・危十七度太・室十七度・璧九度少(北方七宿九十七度半秒六十四)。奎十七度半・婁十二度太・胃十四度太・昴十一度・畢十六度・觜一度・参九度少(西方七宿八十二度)。井三十度・鬼二度・柳十四度・星七度・張十八度太・翼十九度少・軫十八度(南方七宿一百一十度)。角十三度・亢九度半・氐十五度半・房五度・心四度・尾十七度・箕十度(東方七宿七十四度)。
- 冬至加時黄道日躔宿次、二十四気初日加時黄道日躔宿次、二十四気初日晨前夜半黄道日躔宿次、毎日晨前夜半黄道日躔宿次を、それぞれ赤道度・盈縮分・昇降分から換算して求める算式が続く。
歩月離(月の運行の算出法)
- 基本定数:転周分二十九萬一千八百三秒五百九十四。転周日二十七餘五千八百七十三秒五百九十四。朔差日一餘一萬三百三十五秒九千四百六。望差一十四餘八千一百四秒五千。弦策七餘四千五十二秒五百。七日(初数九千四百四十一・初約分八十九、末数一千一百七十九・末約分一十一)。十四日(初数八千二百三十二・初約分七十八、末数二千三百五十八・末約分二十二)。二十一日(初数七千五十二・初約分六十九、末数三千五百三十八・末約分二十三)。二十八日(初数五千八百七十三・初約分五十六。以上秒法一萬)。上弦九十一度三十一分秒四十一。望一百八十二度六十二分秒八十二。下弦二百七十三度九十四分秒二十三。平行一十三度三十六分秒八十七半(以上秒母一百)。
- 天正十一月経朔加時入転、弦望入転、朔弦望入転朏朒定数、朔弦望定日を求める算式が続く(転日の進退差・転定分・転積度・増減差・遅疾度・損益率・朏朒積を記した立成表は底本で数値が失われている)。
- 定朔弦望加時日所在度を求めたのち、「推月行九道」として、月の交会は冬は陰暦・夏は陽暦にあり、月は季節と交点の位置により青道(冬夏至後は春分の宿、立冬立夏後は立春の宿に半交)・白道(冬夏至後は秋分の宿、立冬立夏後は立秋の宿に半交)・朱道(春秋分後は夏至の宿、立春立秋後は立夏の宿に半交)・黒道(春秋分後は冬至の宿、立春立秋後は立冬の宿に半交)の四道のいずれかを行くとし、四季を通じて陰陽の交わるところは黄道と会するため月行には九道があるとする。正交からの入初末限度により黄道との差数(月行が黄道に対しどれだけ加減するか)を求め、赤道との差数も同様に求め、同名(春分交後の陰暦・秋分交後の陽暦)・異名(春分交後の陽暦・秋分交後の陰暦)に応じて加減し、九道宿度を得る算式が示される。
- 続けて、月行九道の平交入気、正交入気、正交加時黄道宿度、正交加時月離九道宿度、定朔弦望加時月離所在度、定朔夜半入転、次定朔夜半入転、月の晨昏度、朔弦望晨昏定程、毎日転定度、毎日晨昏月をそれぞれ求める算式が続く。
- さらに、天正経朔加時平行月、天正十一月定朔夜半平行月、次定朔夜半平行月(大月は三十五度八十分秒六十一、小月は二十二度四十三分秒七十三半を加える)、定望夜半平行月、天正定朔夜半入転、定望及び次定朔夜半入転、定朔望夜半定月、朔望定程、朔望転積、毎日夜半月離宿次を求める算式が続く。
歩晷漏(日影・漏刻の算出法)
- 基本定数:二至限一百八十二度六十二分。一象九十一度三十二分。消息法七千八百七十三。辰法八百八十二半(八刻三百五十三)。昏明刻一百二十九半。昏明餘数二百六十四太。冬至陽城晷景一丈二尺七寸一分半(初限六十二、末限一百二十六度二分)。夏至陽城晷景一尺四寸七分小分八十(初限一百二十六度十二分、末限六十二)。
- 陽城(測影の標準地)における晷景の入二至後日数、入初末限定日、毎日中晷定数、毎日消息定数、毎日の黄道去極度および赤道内外度、毎日の晨昏分・日出入分・半昼分、毎日距中度、夜半定漏、昼夜刻および日出入辰刻、更籌辰刻、毎日昏明度、五更中星をそれぞれ求める算式が続く。
- 最後に、九服(陽城以外の各地)の距差日、九服の晷景、九服の昼夜漏刻を、陽城の数値との比較により求める算式が示される。陽城の北にある地では冬至前後の晷景を、南にある地では夏至前後の晷景をそれぞれ陽城の値と照合して距差日を定め、これにより各地の中晷定数・晝夜刻・日出入辰刻・距中度・五更中星を陽城の法に準じて求めるとする。