蔡邕による漢楽の四分類
- 蔡邕は漢代の楽を大きく四つに分けて論じたと伝わる。一に郊廟神霊、二に天子享宴、三に大射辟雍、四に短簫鐃歌である。
晋郊祀歌五篇(傅玄作)
- 祠天地五郊夕牲歌一篇。
- 祠天地五郊迎送神歌一篇。
- 饗天地五郊歌三篇。
(いずれも天地を祭る儀礼の中で、犠牲を捧げる場面や神霊を迎え送る場面ごとに歌われた祝詞である。)
天地郊明堂歌五篇(傅玄が前に作ったもの)
- 天地郊明堂夕牲歌一篇。
- 天地郊明堂降神歌一篇。
- 天郊饗神歌一篇。
- 地郊饗神歌一篇。
- 明堂饗神歌一篇。
宋南郊雅楽登歌三篇(顔延之作)
- 天地郊夕牲歌一篇。
- 天地郊迎送神歌一篇。
- 天地饗神歌一篇。
宋明堂歌(謝荘作、天郊饗神歌として総称される)
- 迎神歌詩(三言四句一転韻、漢の郊祀迎神の体裁に依る)。
- 登歌詞(旧来の四言体)。
- 太祖文皇帝を歌う詞(周頌の体に依る)。
- 青帝辞(木の数である三言に依る)。
- 赤帝辞(火の数である七言に依る)。
- 黄帝辞(土の数である五言に依る)。
- 白帝辞(金の数である九言に依る)。
- 黒帝辞(水の数である六言に依る)。
- 送神歌辞(三言。漢の郊祀送神も同じく三言)。
(五方の帝それぞれの徳性に応じた字数の句を用いて歌う趣向になっている。)
魏兪兒舞歌四篇(王粲作、魏国建国の際に用いられ、後に太祖廟でも用いられた)
- 矛兪新福歌。
- 弩兪新福歌。
- 安臺新福歌曲。
- 行辞新福歌曲。
(いずれも矛・剣・弩など兵器を執って舞う武舞に合わせた祝賀の歌。)
晋宣武舞歌四篇(傅玄作)
- 惟聖皇篇(矛兪第一)。
- 短兵篇(剣兪第二)。
- 軍鎮篇(弩兪第三)。
- 窮武篇(安臺行乱第四)。
晋宣文舞歌二篇(傅玄作)
晋宗廟歌十一篇(傅玄作)
- 祠廟夕牲歌。
- 祠廟迎送神歌。
- 祠征西将軍登歌。
- 祠豫章府君登歌。
- 祠潁川府君登歌。
- 祠京兆府君登歌。
- 祠宣皇帝登歌。
- 祠景皇帝登歌。
- 祠文皇帝登歌。
- 祠廟饗神歌二篇。
(司馬氏の遠祖から宣帝・景帝・文帝に至る歴代の廟で、それぞれ奏された歌である。)
晋江左宗廟歌十三篇(曹毗作十一首、王珣作二首)
- 高祖宣皇帝を歌う(曹毗作)。
- 世宗景皇帝を歌う(曹毗作)。
- 太祖文皇帝を歌う(曹毗作)。
- 世祖武皇帝を歌う(曹毗作)。
- 中宗元皇帝を歌う(曹毗作)。
- 粛祖明皇帝を歌う(曹毗作)。
- 顕宗成皇帝を歌う(曹毗作)。
- 康皇帝を歌う(曹毗作)。
- 孝宗穆皇帝を歌う(曹毗作)。
- 哀皇帝を歌う(曹毗作)。
- 四時祠祀歌(曹毗作)。
- 太宗簡文皇帝を歌う(王珣作)。
- 烈宗孝武皇帝を歌う(王珣作)。
(東晋の歴代皇帝を廟ごとに讃え、各帝の事跡や徳を簡潔に称える内容。)
宋宗廟登歌八篇(王韶之作)
- 祠北平府君登歌。
- 祠相国掾府君登歌。
- 祠開封府君登歌。
- 祠武原府君登歌。
- 祠東安府君登歌。
- 祠孝皇帝登歌。
- 祠高祖武皇帝登歌。
- 祠七廟享神登歌(あわせて太后を歌う篇を含む)。
(宋の始祖以来の歴代祖先および高祖武帝を祀る廟でそれぞれ奏された。)
世祖孝武皇帝歌(謝荘作)・宣皇太后廟歌
- 世祖孝武皇帝を讃える歌で、武帝・文帝の二祖の後を承け国家の基盤を固めた事績を歌う。
- 宣皇太后廟歌は、太后の徳と後宮での訓えを称える内容。
晋四廂楽歌三首(傅玄作)
- 天鑑四章(正旦大会行礼歌)。
- 於赫一章(上寿酒歌)。
- 天命十三章(食挙東西廂歌)。
晋正徳大豫二舞歌二篇(傅玄作)
晋四廂楽歌十七篇(荀勗作)
- 正旦大会行礼歌四篇。於皇一章(漢の旧曲「於赫」に相当)、明明一章(「巍巍」に相当)、邦国一章(「洋洋」に相当)、祖宗一章(「鹿鳴」に相当)。
- 正旦大会王公上寿酒歌一篇。踐元辰一章(「觴行」に相当)。
- 食挙楽東西廂歌十二篇。煌煌一章(「鹿鳴」に相当)、賓之初筵一章(「於穆」に相当)、三后一章(「昭昭」に相当)、赫矣一章(「華華」に相当)、烈文一章(「朝宴」に相当)、猗歟一章(「盛徳」に相当)、隆化一章(「綏万邦」に相当)、振鷺一章(「朝朝」に相当)、翼翼一章(「順天」に相当)、既宴一章(「陟天庭」に相当)、時邕一章(「参両儀」に相当)、嘉会一章。
(荀勗は魏以来の旧曲の体裁を保ちながら、晋朝の実情に合わせて詞を改めたもので、各章にはそれぞれ対応する旧曲名が注記されている。)
晋正徳大豫二舞歌二篇(荀勗作)
晋四廂楽歌十六篇(張華作)
- 王公上寿詩一章。
- 晋の徳・四時の祥瑞・歴代皇祖の功業を讃える諸章(多数。麒麟・鳳凰・醴泉・嘉禾などの瑞祥、泰始の建元・龍興、景皇・文考の事績などを主題とする)。
- 食挙東西廂楽詩十一章。
- 雅楽正旦大会行礼詩四章。
晋正徳大豫二舞歌二篇(張華作)
晋四廂歌十六篇(成公綏作)
- 上寿酒一章。
- 晋の徳・瑞応・歴代皇祖を讃える諸章(多数。天下安寧・風俗清らかを讃える詞、崑崙に登り天地陰陽を巡る幻想的な詞、顕祖・景皇・烈考ら歴代の功業を歌う詞など)。
- 雅楽正旦大会行礼詩十五章。
宋四廂楽歌五篇(王韶之作)
- 肆夏楽歌四章(賓客の出入り、皇帝の昇壇、装束を改める場面など、儀節ごとに奏する曲を規定する)。
- 大会行礼歌二章(姑洗廂で奏する)。
- 王公上寿歌一章(黄鐘廂で奏する)。
- 殿前登歌三章(別に金石の伴奏を伴う)。
- 食挙歌十章(黄鐘・太蔟の二廂で交互に奏する)。
宋前舞後舞歌二篇(王韶之作)
- 前舞歌一章(晋の正徳の舞に相当し、㽔賓廂で奏する)。
- 後舞歌一章(晋の大豫の舞に相当し、㽔賓廂で奏する)。
章廟舞楽歌詞(殷淡作。諸章はすべて太廟の詞を共用するが三后の分のみ別に撰した)
- 賓の出入りに肅成楽を奏する歌詞二章。
- 牲の出入りに引牲楽を奏する歌詞。
- 籩豆に毛血を供える際に嘉薦楽を奏する歌詞(夕牲歌詞)。
- 迎神に韶夏楽を奏する歌詞。
- 皇帝が廟の北門に入る際に永至楽を奏する歌詞。
- 太祝が地に祼する際に登歌を奏する歌詞二章。
- 章皇太后神室で章徳凱容の楽舞を奏する歌詞。
- 昭皇太后神室で昭徳凱容の楽舞を奏する歌詞(明帝作)。
- 宣皇太后神室で宣徳凱容の楽舞を奏する歌詞(明帝作)。
- 皇帝が東壁に還り福酒を受ける際に嘉時の楽舞を奏する詞。
- 送神に昭夏の楽舞を奏する歌詞二章。
- 皇帝が便殿に赴く際に休成の楽を奏する歌詞。