春秋左傳事類始末魏顆、武子の治命に従う(魏顆從武子治命)

秦が晉を攻めた輔氏の戦いで魏顆が秦の勇士杜回を捕らえて勝利する。魏顆は父魏武子の乱心時の殉死の命令に従わず、正気だったときの遺言に従って妾を再嫁させており、その妾の亡父の霊が恩に報いて杜回を躓かせたという結草の逸話を伝える。

年表(1件)

魯宣公十五年(前594年)

  • 秦の桓公が晋を攻め、輔氏に布陣した。晋侯は稷で軍を整え、狄の地を攻略してから雒まで戻った。
  • 魏顆は輔氏で秦軍を破り、秦の勇士・杜回を捕らえた。
  • 発端は、魏顆の父・魏武子に子のない愛妾がいたことに遡る。武子は病の初め、顆に「私が死んだらこの妾を再嫁させよ」と命じたが、病が重くなると「殉死させよ」と命じ直した。武子の死後、顆は妾を再嫁させ、「病が重いときの言葉は乱れた心によるもの。私は正気だったときの命令に従う」と述べた。
  • 輔氏の戦いで、顆は一人の老人が草を結んで杜回の行く手を阻むのを見た。杜回はそれに躓いて倒れ、顆に捕らえられた。その夜、顆の夢にその老人が現れ、「私はお前が再嫁させた婦人の父である。お前が亡き父の正気の遺命に従ってくれたので、私はこうして恩に報いたのだ」と告げた。