総説
皇帝の元服(加冠)の礼
- 有司が日を占い、天地・宗廟に告げる。
- 前日、尚舎が席を太極殿の中楹の間に設ける、莞筵に紛純を、藻席に緇純を、次席に黼純を加える。有司が次を設け、県を展べ、案を設け、車輦を陳ねる。文官五品以上の位を県の東に、武官を県の西に、六品以下はみな横街の南に北上で設ける。朝集使はそれぞれ方に分かれ文武官の当品の下に、諸親の位は四品・五品の下に、皇宗の親は東に、異姓の親は西に置く。藩客はそれぞれ方に分かれ朝集使六品の南に、諸州の使人は朝集使九品の後に置く。また太師・太尉の位を横街の南・道の東に北面西上で設ける。典儀は県の東北、贊者二人は南に少し退いていずれも西向く。また門外の位を東西の朝堂に元日のように設ける。
- その日、侍中が「請中厳」を版奏する。太楽令・鼓吹令が工人を率いて入り位に就く。有司が罍洗を阼階の東南に設け、席を東房内・少し西に設け、帷を東序の外に張る。殿中監が衮服を内席に東領に陳ね、緇纚・玉簪及び櫛の三物を同箱にして服の南に置く。また莞筵一を設け紛純を、藻席に緇純を、次席に黼純を加えて南に置く。尚食が醴尊を東序外の帷内に実れ、坫を尊の北に置き角・觶・柶各一を実れる。饌を尊の西に陳ね籩・豆各十二、俎三を籩豆の北に置く。罍洗を尊の東に設ける。衮冕・玉導は箱に置く。太常博士一人が西階下に東面して立つ。諸侍衛の官がいずれも閤に詣で奉迎し、典儀が贊者及び群官を率い次第に入って位に就く。太常博士が太常卿を導いて西階を登らせ東房の外・戸に当たって北向きに立たせる。侍中が「外辦」を版奏する。皇帝は空頂黒介幘・絳紗袍を服し西房より出て御座に即き立つ。太師・太尉が入って位に就く。典儀が「再拝」と言い、贊者が伝え、在位の者がみな再拝する。太師は西階より登り東階上に東面して立つ。太尉は阼階下の罍洗に詣で手を盥い東階より登り東房に詣で纚櫛の箱を取って進め跪いて御座の西端に奠じる。太師が御座の前に詣で跪いて「坐せられよ」と奏する。皇帝が坐る。太尉が前・少し左に跪き幘を脱いで箱に置き、櫛を終えて纚を設け興って少し西に東面して立つ。太師が降りて盥い冕を受け右手で頂を左手で前を執り西階より登り前・少し左に当たって「令月吉日、始めて元服を加う。寿考惟れ祺く、以て景福を介けよ」と祝う。それから跪いて冠せ興って西階上の位に復する。太尉が前に少し左で跪き簪を設け纓を結んで興り位に復する。皇帝が興り東房に適く。殿中監が櫛纚の箱を徹して退く。
- 皇帝が衮服で出て席に即き南向きに坐る。太尉が序外の帷内に詣で手を盥い觶を洗い醴を酌み柶を加えて覆う、葉を面にして序内に南面して立つ。太師が進んで醴を受け柄を面にし、前んで北向きに「甘醴唯れ厚く、嘉薦令しく芳し。天の休を承け、寿考忘れず」と祝う。退いて西階下に降り東面して立つ。祝が終わろうとする間、殿中監が進饌者を率い饌を奉じて前に設ける。皇帝は左手で觶を執り右手で脯を取り醢に擩し籩豆の間に祭る。太尉が胏一を取って進め、皇帝は觶を薦の西に奠じ胏を受け左手で本を舒べ右手で末を絶ち祭り左手を挙げてこれを嚌め太尉に授ける。太尉はこれを俎に加え、降りて太師の南に立つ。皇帝は手を帨い觶を取り柶で醴を祭り醴を啐い柶を建て觶を薦の東に奠じる。太師・太尉は横街南の位に復する。典儀が「再拝」と言い、贊者が伝え、在位の者がみな再拝する。太師・太尉が出る。侍中が前に跪いて「礼畢る」と奏する。皇帝が興り東房より入り、在位の者は次第に出る。
皇太子の元服の礼
- 有司があらかじめ司徒一人を賓に、卿一人を賛冠に奏し、吏部がこれを承けて戒める。前日、尚舎が御幄を太極殿に設け、有司が群官の次位を設け、県を展べ、桉を設け、車輿を陳ねるのはいずれも皇帝の冠の時と同様。賓の受命の位を横街の南・道の東に、賛冠の位をその後・少し東にいずれも北面に設ける。また文武官の門外の位を順天門の外・道の東西に設ける。その日、侍中が「請中厳」を奏する。群官・有司がみな位に就く。賓・賛が太極門の外・道の東に入って西面して立つ。黄門侍郎が主節を導いて幡節を持たせ、中書侍郎が制書の桉を導き、楽県の東南に西面北上で立つ。侍中が「外辦」を奏する。皇帝は通天冠・絳紗袍を服し輿に乗って西房より出て御座に即く。賓・賛が入って位に就く。典儀が「再拝」と言い、在位の者がみな再拝する。侍中及び舎人が前で制を承け、侍中が降りて賓の前に至り「制あり」と称える。公が再拝する。侍中が「まさに某の首に冠を加えんとす、公はその事を将うべし」と言う。公が少し進み北面して再拝稽首し「臣不敏、恐らく事を供する能わず、敢へて辞す」と辞する。侍中が登って奏し、また制を承けて降り「制旨、公はその事を将うべし、辞するなかれ」と称える。公が再拝する。侍中・舎人が卿の前に至り勅旨を称え、卿が再拝する。侍中が「まさに某の首に冠を加えんとす、卿は宜しく冠を賛くべし」と言う。卿が再拝する。黄門侍郎が節を執って賓の東北に西面して立つ。賓が再拝して節を受け主節に付し、また再拝する。中書侍郎が制書を取り賓の東北に西面して立つ。賓が再拝して制書を受け、また再拝する。典儀が「再拝」と言い、贊者が伝え在位の者がみな再拝する。賓・賛が出て、皇帝が座を降り東房より入り、在位の者は次第に出る。まず賓・賛が門を出るとき、制書を桉に置き、幡節を引いて威儀・鐃吹及び九品以上とともにみな東宮の朝堂に詣でる。
- 冠の前日、衞尉が賓の次を重明門の外・道の西に南向きに設け、賛冠の次はその西南に設ける。また次を門の内・道の西に設け賓・賛を待つ。また皇太子の位を閤外・道の東に西向きに設ける。三師の位は道の西、三少の位はその南少し退いていずれも東向きに設ける。また軒県を庭に設け、皇太子の受制位を県の北、解剣席を東北にいずれも北面に設ける。
- 冠の日の平明、宮臣はみな朝服を、他は公服を服し重明門の外の朝堂に集まる。宗正卿が車に乗って侍従し左春坊に詣で権に停まる。左右二率がそれぞれ所部を勒し門を屯めて仗を列ねる。左庶子が「請中厳」を版奏する。群官・有司が入って位に就く。罍洗を東階の東南に設ける。冠席を殿上・東壁の下少し南に西向きに、賓席を西階上に東向きに、主人席を皇太子席の西南に西向きに、三師席を冠席の北に、三少席を冠席の南に設ける。帷を東序の内に張り、褥席を帷中に設ける。また帷を序の外に張り饌を具える。内直郎が服を帷内に東領北上で陳ねる――衮冕、金飾象笏。遠游冠、緇布冠、玄衣・素裳・素韠・白紗中単・青領褾襈裾、履・襪、革帯・大帯、笏を服す。緇纚・犀簪の二物は同箱にして服の南に置く。櫛は箱に実れさらに南に置く。莞筵四、藻席四をさらに南に置く。良醞令が側尊の甒に醴を実れ序外の帷内に置き、罍洗を尊の東に設け巾一、角觶・柶各一を実れる。太官令が饌豆九・籩九を尊の西に実れ、俎三を豆の北に置く。衮冕、遠游三梁冠、黒介幘、緇布冠の青組纓は冠に属し、冠・冕は各一箱とする。奉礼郎三人がそれぞれこれを執り西階の西に東面北上で立つ。主人・賛冠者――宗正卿を主人、庶子を賛冠者とする。東序帷内・少し北に登り、戸の東西に立つ。典謁が群官を導き次第に入って位に就く。
- まず賓・賛が次に入ると、左庶子が「外辦」を版奏する。通事舎人が三師らを導いて閤外・道の西の位に東面して立たせる。皇太子は空頂黒介幘・雙童髻・綵衣・紫袴褶・織成褾領・緑紳・烏皮履で輿に乗って出る。洗馬が閤門の外に迎え、左庶子が輿を降りることを請い、洗馬がこれを道東の位に導き西向きに立たせる。左庶子が再拝を請う。三師・三少が答拝する。それから階の東南の位に就く。三師が前に、三少が後に、千牛二人が左右を夾み、他の仗衞が師・保の外に列ぶ。皇太子はそれから出て賓を迎え、阼階の東に至って西面して立つ。宗正卿は門の東に西面して立つ。賓は西に東面して立つ。宗正卿が再拝するが、賓は答拝しない。賓が入り、主人が従って入り県の東北に西面して立つ。賓が入り賛冠者が従い、賓は殿の階間に詣で南面する。賛冠者は賓の西南に東面して立つ。節は賓の東少し南に西面して置く。制桉は賛冠の西南に東面して置く。賓が制を執り、皇太子が受制位に詣で北面して立つ。主節が節衣を脱ぎ、賓が「制あり」と称える。皇太子が再拝する。詔を宣して「制あり、皇太子某、吉日に元服す、旧章に率由し、太尉某に命じ宮に就いて礼を展べしむ」と言う。皇太子が再拝する。少傅が進んで賓の前に至り制書を受け皇太子に授け庶子に付す。皇太子は東階を登り東序の帷内・近北に入り南面して立つ。賓は西階を登り、宗正卿とそれぞれ席の後に立つ。
- まず賓が登るとき、賛冠者が罍洗に詣で手を盥い東階より登り帷内で主人の冠の賛の南にいずれも西面する。主人の賛冠者が皇太子を導いて出させ席の東に西面して立たせる。賓の賛冠者が纚・櫛の二箱を取り坐して筵に奠じる。皇太子が進み筵に登り西面して坐る。賓の賛冠者が東面して坐り幘を脱いで箱に置き櫛を終えて纚を設け興って少し北に南面して立つ。緇布冠を執る者が登り、賓が一等降りてこれを受け右手で頂を左手で前を執って進み東向きに立ち「令月吉日、始めて元服を加う。厥の幼志を棄て、その成徳を慎め。寿考惟れ祺く、以て景福を介けよ」と祝う。それから跪いて冠せ興って位に復する。皇太子が東面して立ち、賓が皇太子に揖し、賛冠者が東序帷内に導いて玄衣素裳の服を着せて出させ席の東に西面して立たせる。賓が皇太子に揖し筵に登らせ西向きに坐らせる。賓の賛冠者が進み跪いて緇布冠を脱いで箱に置き興って位に復する。賓が二等降り遠游冠を受け右手で頂を左手で前を執って進み「吉月令辰、乃ち嘉服を申ぶ。克く威儀を敬い、式て厥の徳を昭かにせよ。眉寿万歳、永く胡福を寿とせよ」と祝う。それから跪いて冠せ興って位に復する。皇太子が興り、賓が皇太子に揖し賛冠者が東序帷内に導いて朝服を着せて出させ席の東に西面して立たせる。賓が皇太子に揖し筵に登らせ坐らせる。賓の賛冠者が進み跪いて遠游冠を脱ぎ興って位に復する。賓が三等降り冕を受け右手で頂を左手で前を執って進み「歳の正を以て、月の令を以て。咸くその服を加え、以て厥の徳を成す。万寿無疆、天の慶を承けよ」と祝う。それから跪いて冠せ興って位に復する。冠のたびごとに、いずれも賛冠者が跪いて簪を設け纓を結ぶ。
- 皇太子が興り、賓が皇太子に揖し東序に適かせ衮冕の服を着せて出させ席の東に西面して立たせる。賛冠者が纚・櫛の箱を徹して入り、また筵を取って帷内に入る。主人の賛冠者がまた醴を設ける。皇太子の席は室戸の西に南向き、下に莞、上に藻を敷く。賓の賛冠者が東序外の帷内で手を盥い觶を洗う。典膳郎が醴を酌み柶を加えて覆う、柄を面にして賛冠に授ける、序内に南面して立つ。賓が皇太子に揖し筵の西に南面して立たせる。賓が進んで醴を受け柶を加える、柄を面にして進み北向きに立ち「甘醴唯れ厚く、嘉薦令しく芳し。拝してこれを受け祭れ、以て厥の祥を定めよ。天の休を承け、寿考忘れず」と祝う。皇太子が拝して觶を受ける。賓は位に復し東面して答拝する。賛冠者が進饌者とともに饌を奉じ筵前に設ける。皇太子が筵に登り坐り左手で觶を執り右手で脯を取り醢に擩し籩豆の間に祭る。賛冠者が韭葅を取り遍く豆に擩し皇太子に授け、また籩豆の間に祭らせる。賛冠者が胏一を取り皇太子に授け、皇太子は觶を薦の西に奠じ興って胏を受け左手を却けて本を執り坐し右手を繚らせて末を絶って祭る。左手を挙げてこれを嚌め、興って賛冠者に授け俎に加える。皇太子が坐り手を帨って觶を取り柶で醴を三たび祭る、始めに一たび扱って祭り、また扱って再び祭り、柶を觶に加える、葉を面にして興り、筵の末に坐り醴を啐い柶を建て、興って筵を降り西に南面して坐り觶を奠じ再拝し觶を執って興る。賓が答拝する。
- 皇太子が降り西階の東に南面して立つ。賓が降り西階の西少し南に立ち、賛冠が随って降り賓の西南に立ち、いずれも東面する。賓が少し進み字を授ける、「礼儀すでに備わり、令月吉日。厥の字を昭告す、君子の宜しき所なり。これを嘏に宜しくし、永くこれを受け保て。勅を奉じて某と字す」と祝う。皇太子が再拝して「某、不敏なりと雖も、敢へて祗んで奉ぜざらんや」と言う。また再拝する。洗馬が太子を導いて阼階の位に降ろす、三師が南に北面して、三少が北に南面して立つ。皇太子が西面して再拝し、三師らがそれぞれ再拝して出る。典儀が「再拝」と言い、贊者が伝え、在位の者がみな再拝する。左庶子が前で「礼畢る」と称える。皇太子が輿に乗って入り、侍臣が従って閤に至り、賓・賛及び宗正卿が出て会に就く。
皇子の元服の礼
- 前三日、本司がその属を率い聴事で日を筮い賓を筮う。前二日、主人が賓の門の外の次に至り東面する。賓は阼階の下に西面して立つ。儐者が左に進み北面して命を受けて出て門の東に西面して立ち「敢へて事を請う」と言う。主人は「皇子某王、まさに冠を加えんとす、某公にこれを教えられんことを請う」と言う。儐者が入って告げ、賓が出て門の左に西面して立ち再拝する。主人が答拝する。主人が「皇子某王、まさに冠を加えんとす、某公に教えられんことを願う」と言う。賓は「某不敏、恐らく恭事する能わず、敢へて辞す」と言う。主人は「某なお某公に教えられんことを願う」と言う。賓は「王重ねて命あり、某敢へて従わざらんや」と言う。主人が再拝して還り、賓が拝して送る。賛冠者に命ずるのもまた同様である。
- 冠の日、夙に興き、洗を阼階の東南に、席を東房内・西墉の下に設ける。衣を席に東領北上で陳ねる――衮冕、遠游冠、緇布冠。緇纚・犀簪・櫛は箱に実れ服の南に置く。莞筵・藻席各三をさらに南に置く。尊を房戸の外の西に設け、両甒の玄酒を西に置き勺冪を加える。坫を尊の東に設け二爵を坫に置き冪を加える。豆十・籩十を服の北に、俎三を籩豆の北に置く。質明、賓・賛が主人の大門の外の次に至る。遠游三梁・緇布冠各一箱をそれぞれ一人が執り西階の西に東面北上で待つ。主人の席を阼階上に西面に、賓席を西階上に東面に、皇子の席を室戸の東・房戸の西に南面に設ける、いずれも下に莞、上に藻を敷く。主人は阼階下・東房に当たって西面に立つ。諸親は罍洗の東南に西面北上に立つ。儐者は門の内・道の東に北面して立つ。皇子は雙童髻・空頂幘・綵袴褶・錦紳・烏皮履で房内に南面して立つ。主人・賛冠者は房内・戸の東に西面して立つ。賓及び賛冠者が出て門の西に立ち、賛冠者は少し退きいずれも東面北上とする。
- 儐者が主人から命を受け出て門の東に西面して立ち「敢へて事を請う」と言う。賓は「皇子某王、まさに冠を加えんとす、某謹んで命に応ず」と言う。儐者が入って告げ、主人が出て賓を迎え西面して再拝し、賓が答拝する。主人が賛冠者に揖し、賛冠者が報揖し、主人がまた賓に揖し、賓が報う。主人が入り、賓・賛冠者が次第に入り、内門に至って主人が賓に揖し、賓が入り賛冠者がこれに従う。内霤に至り曲がろうとして揖し、賓が報揖する。階に至り、主人は階の東に西面して立ち、賓は階の西に東面して立つ。主人が「公、登られんことを請う」と言う。賓は「某、まさに事を将えんとす、敢へて辞す」と言う。主人が「固く公の登られんことを請う」と言う。賓は「某、敢へて固く辞す」と言う。主人が「終に公の登られんことを請う」と言う。賓は「某、敢へて終に辞す」と言う。主人は阼階より登り席の東に西向きに立つ。賓は西階より登り席の西に東向きに立つ。賛冠者が庭に及び洗で盥い西階より登り東房に入り主人の賛冠者の南にいずれも西面して立つ。
- 主人の賛冠者が皇子を導いて出させ房戸の外の西に南面して立たせる。賓の賛冠者が纚・櫛・簪の箱を取り跪いて皇子の筵の東端に奠じ興って席の東少し北に南面して立つ。賓が皇子に揖し、賓・主がともに座に即く。皇子が進み席に登り南面して坐る。賓の賛冠者が筵の前に進み北面して跪き雙童髻を脱いで箱に置き櫛を終えて纚を設ける。賓が降り盥い、主が従って降りる。賓が東面して「王、降られざらんことを願う」と辞する。主人は「公、辱くも降らる、敢へて従って降らざらんや」と言う。賓がすでに盥い西階に詣で、賓・主が一揖一譲して登る。主人は席の後に西面して立ち、賓は西階上に東面して立つ。緇布冠を執る者が登り、賓が一等降りてこれを受け右手で頂を左手で前を執り北面して跪いて冠せ興って西階上の席の後に復し東面して立つ。皇子が興り、賓が皇子に揖し房に適かせ、賓・主がともに坐る。皇子は青衣素裳の服を着け房戸の西に出て南面して立つ。賓が皇子に揖し、皇子が進んで席の後に南面して立つ。賓が降り盥い、主人が従って降り辞対するのは初めと同様。賓が跪いて篚から爵を取り興って洗い西階に詣で、賓・主が一揖一譲して登り坐る。主人は席の後に西面して立つ。賓が酒尊の所に詣で酒を酌み皇子の筵前に進み北向きに立ち「旨酒すでに清く、嘉薦亶に時なり。始めて元服を加え、兄弟具に来る。孝友時に格り、永くこれを保て」と祝う。皇子が筵の西で爵を拝し、賓は西階上に復し東面して答拝する。饌を執る者が籩・豆を皇子の筵前に薦める。皇子が座に登り左手で爵を執り右手で脯を取り醢に擩し籩豆の間に祭り酒を祭り興って筵の末に坐り酒を啐い爵を執って興り筵を降り爵を奠じ再拝し爵を執って興る。賓が答拝する。冠者が筵に登り跪いて爵を薦の東に奠じ興って筵の西に南面して立つ。饌を執る者が薦・爵を徹する。
- 賓が皇子に揖し、皇子が進み筵に登り南向きに坐る。賓の賛冠者が跪いて緇布冠を脱いで箱に置く。賓が二等降り遠游冠を受け冠せる。皇子が興り、賓が皇子に揖し房に適かせ、賓・主がともに坐る。皇子は朝服を着け房戸の西に出て南面して立つ。賓・主がともに興り、賓が皇子に揖し、皇子が進んで席の後に南面して立つ。賓が尊の所に詣で爵を取り酒を酌み皇子の筵前に進み北向きに立ち「旨酒すでに湑く、嘉薦これ脯なり。乃ちその服を申べ、礼儀序あり。この嘉爵を祭り、天の祜を承けよ」と祝う。皇子が筵の西で拝し爵を受け饌を祭るのは初めの礼と同様。賓が皇子に揖し、進んで席に登り南面して坐る。賓の賛冠者が跪いて進賢冠を脱ぐ。賓が三等降り冕を受け冠せる。冠のたびごとに、いずれも賛冠者が簪を設け纓を結ぶ。
- 皇子が興り、賓が皇子に揖し房に適かせ衮冕を着けて房戸の西に出させ南面させる。賓が皇子に揖し、進んで席の後に南面して立つ。賓が酒尊の所に詣で爵を取り酒を酌み皇子に進め「旨酒令しく芳し、籩豆楚あり。咸くその服を加え、肴折俎に升る。天の慶を承け、福を受くること疆りなし」と祝う。皇子が筵の西で拝し爵を受ける。饌を執る者が籩・豆を薦め俎をその南に設ける。皇子が筵に登り坐り爵を執り脯醢を祭る。賛冠者が胏一を取り皇子に授け、皇子は爵を薦の西に奠じ興って受け坐して祭り左手を挙げてこれを嚌め興って俎に加える。皇子が坐り手を涗い爵を執り酒を祭り興って筵の末に坐り酒を啐い筵を降り西に南面して坐り爵を奠じ再拝し爵を執って興る。賓が答拝する。
- 皇子が筵に登り坐り爵を薦の東に奠じ興る。賛冠者が皇子を導いて降ろし西階の東に南面して立たせる。まず皇子が降りるとき、賓は西階より降り西序に直って東面して立つ。主人は東階より降り東序に直って西面して立つ。賓が少し進み字を授け「礼儀すでに備わり、令月吉日。その字を昭告す、字するに孔だ嘉し。君子の宜しき所、これを嘏に宜しくせよ。永くこれを受け保て、曰く孟某甫」と祝う(仲・叔・季はそれぞれの当たる所に依る)。皇子が「某、不敏なりと雖も、夙夜祗んで奉ぜん」と言う。賓が出て、主人が内門の外まで送り、主人が西面して賓に「公、辱くも事に執わる、従者を礼せんことを請う」と言う。賓は「某、すでに事を将うるを得たり、敢へて辞す」と言う。主人は「敢へて固く以て請う」と言う。賓は「某、辞して命を得ず、敢へて従わざらんや」と言う。賓が次に就き、主人が入る。まず賓が出るとき、皇子が東面して見え、諸親が拝しこれに、皇子が答拝する。皇子は別所で内外の諸尊に入って見える。
- 賓・主がすでに服を釈き、席を改め設け終わると、賓・賛がともに次を出て門の西に立つ。主人が出て賓に揖し、賓が報揖する。主人がまず入り、賓・賛が従って階に至り、一揖一譲して登り坐る、ともに坐る。会が終わると、賓は西階上に立ち賛冠者は北に少し退いていずれも東面する。主人は東階上に西面して立つ。掌事者が束帛の篚を奉じ登り主人に序端で授ける。主人が篚を執り少し進み西面して立つ。また掌事者が幣篚を奉じ登り主人の後に立つ。幣篚が登ると、馬を牽く者が両馬を牽いて門内に入れ庭の三分の一・南に北首西上で陳ねる。賓は西階上に還り北面して再拝する。主人が進み楹の間に立ち、賛冠者は賓の左に少し退いていずれも北面して再拝する。主人が南面すると、賓・賛が進み主人の右にいずれも南面東上で立つ。主人が幣を授け、賓がこれを受けて退き位に復する。主人が幣を授けるとき、掌事者がまた幣篚を賛冠者に授ける。主人は阼階上に還り北面して拝し送る。賓・賛は西階より降り、従者が幣を訝え受ける。賓は庭実に当たって東面して揖し出、馬を牽く者が従って出て、従者が門外で馬を訝え受ける。賓が降り、主人が降り、賓を大門で送り西面して再拝する。
諸臣の嫡子・庶子の冠礼
- 諸臣の嫡子の三加は、いずれも祝してから冠し、また祝してから酌み、また祝してから字する。庶子の三加は、加え終えてから酌んで祝し、また祝して字する。始めの冠はいずれも緇布を、再加はいずれも進賢を用いる。三加は、一品の子は衮冕を、二品の子は鷩冕を、三品の子は毳冕を、四品の子は絺冕を、五品の子は玄冕を、六品から九品の子は爵弁を用いる。その服はこれに従う。席に即いて冠するとき、嫡子は西面し庶子は南面する。日を筮い賓・賛を筮い、これを戒め、冠する礼に至るまでいずれも親王の場合と同様である。