隗炤
- 隗炤、汝陰の人。『易』に優れていた。臨終に際し、板に書いて妻に授け「私が死んだ後、大変困窮するだろう。しかしそうなっても決して家を売ってはならない。五年後の春、詔の使者がこの亭に泊まるはずだ。姓は龔という。この人は私に金を負っている、この板を持って彼に返済を求めなさい、言葉に違えるな」と言った。
- 炤が没した後、家は大変困窮し家を売ろうとしたが、夫の言葉を思い出してはやめた。期日になると、龔という使者がその亭に泊まった。妻は板を持って彼に返済を求めた。使者は板を手にして呆然とし、事情が分からなかった。妻は「夫は死ぬ間際、この板に書いて私に託しました、決していい加減なことではありません」と言った。使者はしばらく考え込んでから悟り「あなたの夫は何が得意でしたか」と尋ねた。妻は「夫は『易』に優れていましたが、人のために占ったことはありませんでした」と答えた。使者は「ああ、分かった」と言った。
- そこで蓍(占い草)を取って占わせると、卦が出て、使者は手を打って嘆じた。「妙なるかな隗生よ。明を含み跡を隠す、まさに窮達を鏡のように見通し、吉凶を洞察する者と言うべきだ」。そして炤の妻に告げた。「私はあなたの夫に金を負っているわけではない。あなたの夫が自ら金を持っていたのだ。死後に一時困窮することを知っていたため、金を埋めて太平の世を待とうとしたのだ。妻子に告げなかったのは、金が尽きればまた困窮することを恐れたためだ。私が『易』に優れていることを知っていたため、板に書いて意図を託したのだ。金は五百斤あり、青い甕に入れ、銅の盤で覆い、堂屋の東側、壁から一丈、地下九尺のところに埋めてある」。妻が戻って掘ってみると、すべて占い通りであった。