晉書卷七十五 列傳第四十五 張憑

劉惔との出会い

  • 張憑は字を長宗といい、祖父の張鎮は蒼梧太守。張憑が幼い頃、鎮は張憑の父に「私はお前ほど良い子を持てなかった」と語ると、張憑は「祖父はどうして子を持ち出して父をからかうのですか」と答えた。成長すると志気があり郷里で称賛された。孝廉に挙げられ自らの才を恃み必ず時流の名士に列すると自負していた。初め劉惔を訪ねようとした際、郷里や同じく挙げられた者は皆これを笑った。実際に訪ねると劉惔は下座に座らせ関心を示さず、張憑も切り出す機会がなかった。ちょうど王濛が惔と清談を交わす中で行き詰まった箇所を、末席の張憑が判じ、その言葉は深遠で双方の懐を通わせるものであり、座は皆驚いた。劉惔は張憑を上座に招き終日清談を交わし、一夜泊めてから朝に送り出した。張憑が船に戻ってまもなく、劉惔は使いを送って「張孝廉の船を探せ」と伝えさせ、同乗させて簡文帝にこれを紹介した。帝は張憑と語り「張憑は勃々として理の淵源だ」と感嘆した。官は吏部郎・御史中丞に至った。