說岳全傳第四十六回 兀朮は恩を施し秦檜を養い、苗傅は怨みを含み王淵を殺す (兀朮施恩養秦檜 苗傅銜怨殺王淵)
秦檜夫妻の零落と兀朮の寵愛
- 金に囚われた秦檜は他の大臣たちが次々殺される中、命乞いして生き延び、賀蘭山で馬番の雑用をして糊口を凌いでいた。妻・王氏も番兵と情を通じて食を得るほど困窮していた。
- ある日狩りに出た兀朮は林に隠れる王氏を見つけ、その色香に惹かれて府へ連れ帰り関係を持つ。秦檜も呼び出され参謀として厚遇されることになり、夫妻は書斎をあてがわれ一年余りを過ごした。
秦檜、南帰して間者となる
- 兀朮は秦檜に帰国を勧め、五国城で二帝の詔書を得るよう指示する。秦檜は詔書を得て帰路に就く際、兀朮に「天下を得たら金に江山を送る」と天に誓う。王氏とも「中原を得たら貴妃にする」と誓い合った。
- 秦檜は臨安に至り高宗に二帝の消息を伝え、礼部尚書に任じられ、王氏も二品夫人に封じられた(紹興四年のこと)。
苗傅・劉正彦、王淵を恨む
- 大元帥・王淵は高齢ながら忠勤に励んでいたが、霜降の祭旗の日に左右都督・苗傅、劉正彦が西山遊猟を口実に欠席、しかも酔って街中で王淵に出くわし面前で叱責され恥をかく。
- 恥辱に憤った二人は、岳飛が退隠し韓世忠も遠方にいる隙をついて王淵を殺し、宮中に討ち入って実権を握る謀反を企てる。
王淵殺害と宮中乱入
- 深夜、苗傅・劉正彦は兵を率いて王淵の屋敷を襲い一家九十余口を皆殺しにし、宮中にも乱入する。高宗は恐れて奥へ隠れ、劉正彦の姪であるという劉妃が二人を宥め、「康王を廃さず、太子に譲位を迫れば岳飛も祝賀に来る、その時に討てば良い」と入れ知恵する。
- 二人はこれに従い、康王の名を騙って岳飛を京へ呼び寄せる偽の詔書を作らせた。尚書僕射・朱勝非はこれを見抜き、家人の朱義を湯陰へ走らせ岳飛に急を知らせる。
岳飛の帰郷生活と出兵の準備
- 岳飛は帰郷後、鞏氏を迎えて岳雲を娶らせ一家団欒を送っていたが、母・岳李氏が病没し深く悲しみ喪に服していた。喪が明け、朱義から急報を受け取ると岳飛は驚き、朱勝非への返書を送る。
- 岳飛は牛皋・吉青の二人に密書を持たせ、まず韓世忠のもとへ、続いて臨安へ向かわせる。牛皋は渋りながらも忠義の道理を説かれ承知し、吉青と共に出立する。
- 潤州の帥府に着いた牛皋・吉青は取次の作法を知らず旗牌に無礼を働かれ、騒動になる。