說岳全傳第31回 穿梭鏢で明らかに虎将を降し、苦肉の計で密かに康郎山を取る (穿梭鏢明收虎將 苦肉計暗取康郎)

(詩:戦乱の世を碁盤に例え、機先を制した者が最後に勝つと詠む)

岳飛と余化龍の一騎討ち

  • 岳飛は康郎山の険しさと余化龍の武勇を認め、単独で交戦し他の将には手出しさせないと宣言する。
  • 岳飛は宋の正統性と忠孝仁智の道理を説いて余化龍を諭すが、余化龍は「一騎討ちで負けたら降る」と応じ、槍で三日にわたり互角の勝負が続く。

隠し玉と鏢の応酬

  • 三日目、余化龍は人目のない場所へ岳飛を誘い込み隠し持った金鏢(暗器)で不意打ちを試みるが、岳飛は難なくかわし、逆に投げ返す。互いに鏢を投げ合った末、岳飛が馬の鈴を撃ち落とし、驚いた馬から余化龍が落馬する。
  • 岳飛が助け起こすと、余化龍は心服して降伏、義兄弟の契りを結ぶ。二人は敵陣の目をごまかすため、わざと岳飛が負傷したふりをする芝居を打ち、余化龍は詐って戦況を報告する。

金軍の新たな脅威と楊虎の計略

  • 金の斬着摩利之・張従龍がそれぞれ藕塘関・汜水関を攻めているとの急報が入り、岳飛は湖賊討伐と金軍対応の両面作戦に苦慮する。
  • 楊虎は旧知の萬汝威を説得しに向かうが、逆に処刑されかけ、余化龍の取りなしでかろうじて追放される。楊虎は「苦肉の計」として、わざと岳飛の陣で杖打ちの罰を受けたうえで敵に投降を装う。

苦肉の計成功、康郎山陥落

  • 楊虎は康郎山に戻り「虐待された」と訴えて信用を得て、余化龍にだけ真意を明かす。
  • 岳飛の戦書に激怒した萬汝威・羅輝が出陣すると、余化龍は萬汝威を、楊虎は羅輝をそれぞれ討ち取り、康郎山はあっけなく陥落する。
  • 岳飛軍は余化龍・楊虎を経て藕塘関・汜水関の救援に向かう。牛皋が先に汜水関へ向かうが、金の駙馬・張従龍に敗退する。余化龍・楊虎が到着し張従龍を討ち取って関を奪還、その功を牛皋に譲る。