西漢演義第53回 楚の罪を恐れ陳平は漢に帰順する (懼楚罪陳平歸漢)
陳平、楚を去る
項荘・季布が河内陥落の報告に戻ると、霸王は激怒し二人を責める。陳平が河内奪還の再挙を進言するも、霸王はかえって陳平を疑い罷免してしまう。失意の陳平は密かに家族を陽武へ帰し、単身洛陽方面へ落ち延びる。
黄河渡しの危難
陳平は黄河の渡し舟で船頭が身ぐるみ狙う賊と気づき、機転を利かせて衣服も財も脱ぎ捨て裸で船を漕ぐことを申し出る。何も持たぬと悟った賊は殺意を収め、陳平は無事対岸に渡り、宿で助けを得て衣服を借りる。
漢への出仕
陳平は旧友の魏無知を頼り、漢王への仕官を願う。魏無知の推薦により漢王に謁見し、鴻門の会での旧縁もあって重用され都尉に任じられる。
讒言と弁明
諸将は「素性の知れぬ亡命者を側近に置くのは危険」と不満を述べ、周勃は陳平の私生活(嫂との醜聞)や収賄を挙げて非難する。漢王が魏無知と陳平を詰問すると、陳平は「有用な者は用いられるところに従うのみ。金は必要な路銀のためで、不正な蓄財ではない」と弁明し、金は差し出すと申し出る。漢王はこれに納得し、かえって陳平を厚遇して護軍中尉に昇進させ、以後諸将は異論を唱えなくなる。
張耳の帰順と東征の決定
韓信からの河内平定の報に続き、常山王張耳が夏侯嬰に伴われ漢に投降する。張耳は宿敵陳余への恨みを訴え、漢王はこれを歓迎し常山王として遇する。
漢王は諸侯の勢力を得て東進・楚討伐を諮る。群臣は賛同するが、張良は「歳星の巡りが不利、来年まで待つべき」と諫める。漢王はこれを聞かず東征を決め、太公・呂后を伴い洛陽へ向けて進発する。