西漢演義第四十九回 張良は魏豹を説いて漢に帰順させる (張良說魏豹歸漢)
項羽の激怒と張良の偽計
- 咸陽陥落と関中喪失の報に項羽は激怒し西征を決めるが、そこへ張良からの上表と、斉王田栄・梁王陳余の項羽討伐を呼びかける檄文が届く。張良は上表で「漢は関中を得れば満足するはずで、むしろ斉・梁こそ天下を狙う大患」と説き、項羽の矛先を東(斉梁)へそらす。范増もこれに同調し、項羽は先に斉梁を討つことに決め、西征を後回しにする。これは張良の計略にまんまとはまったものだった。
張良、魏豹を説く
- 張良は平陽の魏豹を訪ね、天下の趨勢は漢に傾いているとの弁舌(劉邦の瑞祥・関中平定の勢い・諸侯の帰趨)を展開する。魏豹の重臣周叔は反論を試みるが、張良に「強弱・時勢・項羽の人物」の三点で論破され、魏豹は漢への帰順を決意する。
- 魏豹は降表を認め、周叔に持たせて張良と共に咸陽へ送る。漢王はこれを喜び、周叔を厚遇して魏豹に丁重な返書を送る。魏豹は完全に漢へ心を寄せる。
申陽の裏切りと張良の危機
- 張良は次に申陽の説得に向かうが、洛陽に長く留まっていた陸賈が、恩顧を受けた申陽への忠義から一転して張良を陥れる策を進言する。申陽は張良を捕らえ、彭城の項羽の下へ護送しようとするところで終わる。