西漢演義第三十五回 韓信は褒中で滕公に会う (韓信褒中見滕公)
南鄭・漢中の様子
- 韓信は南鄭に入り、治まった風俗と豊かな暮らしぶりに感心する。城内を見て回り、漢中の地の利(南は劍門の険、東は桟道の阻)と豊かな風物を眺める。
招賢館の掲示
- 招賢館の前で、十三種の才能(用兵・武勇・武芸・天文・地理・記録・軍議・弁舌・算術・学問・医術・諜報・軍需)を掲げて人材を募る榜文を見る。掲げる者を漢王に推挙し、身分によらず登用するとの内容。
滕公との対面
- 韓信は掲示の管理者が滕公(夏侯嬰)と知り面会を求める。あえて張良の角書を隠し、自らの学識だけで認められようと考える。
- 滕公の問いに対し、韓信は十三科すべてに通じるほか、「文武を兼ね天下を統べ、破楚の大元帥たりうる」もう一つの資質があると述べ、滕公を驚かせる。
- 韓信は兵法論(知っているだけでなく善く用いることの大切さ、宋人と客人の「龜手の薬」の故事を引く)や、項羽が武勇に頼るのみで人心を得られていないこと、漢王の徳と機会について弁じ、六韜三略や陰陽医卜、兵器の知識にも通暁していることを示し、滕公を深く感服させる。
- 滕公は漢王への推挙を申し出るが、韓信はまず蕭何にも会って二人でこそ推挙してほしいと頼む。
滕公、蕭何に伝える
- 滕公はその晩、蕭何を訪ねて韓信の非凡さを伝える。蕭何は韓信が淮陰で貧しく、辱めを受けた過去(漂母に養われ、股くぐりの恥を受けた話)や、楚で范増の推挙も項羽に用いられなかった経緯を知っており、半信半疑ながら翌日会うことを約束する。