西漢演義第二十八回 張子房は桟道を焼き絶つ (張子房燒絕棧道)
桟道での動揺と漢王の逡巡
- 樊噲らは桟道の険しさに怖じ気づき関中へ引き返そうとする。漢王も懐王との先約を反故にされた恨みを口にし、衆意に従って咸陽を攻めようかと考える。
- 蕭何・張良・酈生が跪いて諫め、漢中こそ将来の興隆の地であり、今は力を蓄えて後に三秦を平らげるべきと説く。漢王はこれに従い、金牛嶺(蜀道開通の故事を酈生が語る)を経て進む。
張良の離別と密命
- 張良は漢王に、韓国へ帰るとの名目で辞去を願い出るが、実際には三つの使命(項羽を彭城遷都させ関中を漢王のために残す、諸侯を楚から漢へ翻意させる、破楚の大元帥となる人物を漢王に得させる)を語る。
- 漢王に角書(手紙)を託し、それを持参する者を大元帥として重用するよう頼む。蕭何にも同様に打ち明け、良将が現れたら推挙するよう約す。張良は従者数人と共に関中へ引き返す。
桟道の焼却
- 漢王軍が進む途中、後方で桟道が三百里にわたり焼け落ちているのが分かる。漢王は張良の仕業と怒り、諸将も張良を恨む。
- 蕭何が、桟道焼却には四つの利点(項羽に東帰の意志なしと油断させる、三秦に警戒を怠らせる、将兵に帰心を絶たせ漢中の事業に専心させる、諸侯に侵攻・略奪の隙を与えない)があると説き、漢王は納得して行軍を進める。
漢中建国
- 漢王は漢中で即位し、寛政を布いて民心を得る。五穀豊穣、国内は大いに治まる。蕭何を相国とし、曹参・樊噲・周勃・灌嬰らを封賞する。
張良、亜父の追手に遭う
- 一方、桟道を焼いた張良は関中へ戻る途中、范増の指示で待ち構えていた者に呼び止められたところで終わる。