三十六計金蟬脫殼
- 要旨: 表向きの陣形と体裁を保って味方を疑わせず敵も動かせないようにしながら、実は密かに主力を分けて別の敵を討つ計略。
計の要点
- 「存其形、完其勢、友不疑、敵不動」として、外見上の陣形と勢いを保つことで、味方の疑いも敵の警戒も招かないようにすべきだとする。
按語の補足
- 味方と共に一方の敵を攻めつつ、別に敵がいる場合、形だけを残してそのまま立ち去る必要があるとし、これは単なる逃走ではなく分身の術であるとする。
- 大軍が移動しても旌旗や鉦太鼓をそのまま陣にあるように見せかけ、敵にも味方にも気づかせず、別の敵を摧いて戻ってから初めて知られる、あるいは知られないままで済むこともあるとする。
- 諸葛亮が軍中で没した際、司馬懿が追撃しようとしたが、姜維が旗を翻し太鼓を鳴らして向かってくるように見せかけたため、司馬懿は退き、その隙に蜀軍は陣を結んで撤退したという(三国時代、234年)。
- 南北朝時代、檀道済が包囲された際、兵に甲冑を着けさせつつ自らは白衣で車に乗り悠然と包囲を抜け出たところ、魏軍は伏兵を疑って攻めず、そのまま退いたという(南北朝時代、5世紀)。